昭和に生まれた世代にとって、幼い頃の娯楽といえばテレビや漫画が中心だった。なかでも1980年代から90年代にかけて絶大な人気を誇った『週刊少年ジャンプ』(集英社)に夢中になった読者は多いのではないだろうか。
当時の『ジャンプ』には『北斗の拳』や『魁!!男塾』に代表されるような、熱いバトルを展開している作品が数多く連載されていた。しかし、そのような作品には「こんな巨体にどうやって勝つの!?」と震え上がってしまうような巨大な敵キャラクターも多く登場し、読者の度肝を抜かしたものである。
ここでは『ジャンプ』に登場し、昭和キッズを恐怖させた、とんでもなく「デカすぎる敵」を振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■さすがのケンシロウもたじろぐ伝説の巨人!?『北斗の拳』デビルリバース
武論尊氏(原作)と原哲夫氏(漫画)による不朽の名作『北斗の拳』は、1983年から1988年まで連載された。本作は世紀末の荒廃した世界を舞台に、北斗神拳伝承者・ケンシロウの戦いを描いた作品だ。その中で、異様なまでの巨体で読者に強烈なインパクトを与えた敵がデビルリバースである。
コミックス第3巻「闘神の化身!!の巻」で登場するデビルリバースは、その名の通り“悪魔の転生”を思わせる巨大で醜悪な容貌が特徴だ。人間を軽く一握りできるほどの大きさで、死刑執行を13回繰り返しても生き延びてきたという過去を持つ。
そんな圧倒的なデビルリバースを見た幼い頃の筆者は「こんな怪物相手に、ケンシロウは勝てるのだろうか?」と固唾をのんだことを覚えている。しかしケンシロウは、空中からデビルリバースの体に「北斗七死星点」を打ち込み、見事勝利を収める。
ちなみにアニメ版のこのシーンでは、両者の体格差がより強調されており、デビルリバースに対しケンシロウが虫のように小さく描かれている。デビルリバースの頭から順番に「あたァ!!」と叫びながら拳を打ち込む様子が、何ともシュールであった。
核戦争後の食糧難が深刻な世界で、デビルリバースがどうやって生き延びてきたのかは謎である。しかし、ケンシロウの北斗神拳は凄まじく、本当の強さは体の大きさで決まるものではないということを、当時の子ども心に教えてくれたのだ。
■大人5人が運ぶ酒瓶もインパクト大!『魁!!男塾』大豪院邪鬼
宮下あきら氏が描く『魁!!男塾』は、1985年から1991年まで連載された漢気あふれる学園バトル漫画だ。塾長・江田島平八率いる男塾の塾生たちが熱い死闘を展開するストーリーにおいて、読者の度肝を抜いた巨大な敵が、男塾三号生筆頭の大豪院邪鬼である。
大豪院邪鬼は十数年に渡って男塾を支配した人物で、登場当初は主人公・剣桃太郎たちに立ちはだかる敵であった。そんな邪鬼に恨みを持つ富樫源次が彼の元へ単身乗り込んだとき、邪鬼は身の丈10mはあろうかという巨体で姿を現す。
富樫は刃物を手に邪鬼に立ち向かうが、一見して1mほどもある邪鬼の手のひらによって、刃物も簡単に阻まれてしまう。さらに、塾生が邪鬼にビールを注ぐシーンがあるのだが、そのビール瓶は塾生5人がかりでないと運べないほどの大きさだった。邪鬼に関わるものはすべてが規格外のスケールで描かれているのである。
『魁!!男塾』は熱いバトルがストーリーの中心ではあるが、連載が開始された直後はギャグ要素の強い作風であった。邪鬼の「本当に人間なのか?」と思わせるほどの大きさは、ある意味男塾のユーモアを象徴するシーンの1つと言えるだろう。


