■ 5年越しの再会が証明する、ふたりの信頼関係

 今回の再共演は、ファンにとってだけでなく、当人たちにとっても特別な意味を持つものであったようだ。

 『おちょやん』の撮影終了時、杉咲さんと成田さんは、“次に共演できるのは5年後くらいではないか”と語り合っていたという。その言葉通り、約5年の時を経て『冬のなんかさ、春のなんかね』という作品で再び顔を合わせることになった。

 杉咲さんは、この再会について「すごくうれしかったです」と語り、成田さんも「言わなくても分かることがたくさんある関係です」と、互いへの深い信頼をのぞかせている。

 また成田さんは、久しぶりの再会となった最初の撮影シーンで、「普通に照れてしまった」と振り返っている。第1話、あのコインランドリーのシーンで漂っていた独特の空気感は、役柄上の初対面としての距離感と、俳優としてのリアルな再会の感情が絶妙に重なり合った結果なのかもしれない。

 

 『おちょやん』で千代と一平の切ない別れを見届けたファンにとって、杉咲さんと成田さんが新たな物語の中で再び巡り会い、全く異なる設定の恋愛模様を演じることは、この上なく贅沢な楽しみだと言えるだろう。

 『冬のなんかさ、春のなんかね』で描かれる、冬の静けさと春の予感が混じり合うような、曖昧で答えのない恋の行方。互いに深い信頼を寄せ合う2人だからこそ描ける「普段着の恋」を、最後まで温かく見守りたい。

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