■オリジナル魔法が作れる画期的システムに燃えた『ルドラの秘宝』

 続いて紹介するのは、1996年4月5日にスクウェアから発売されたRPG『ルドラの秘宝』です。実は『牙狼-GARO-』などでおなじみのクリエイター・雨宮慶太氏がキャラクターデザインを担当しています。でも、そこまで知名度が高くないのはスーファミ末期という発売時期によるものかもしれません。

 本作はシオン、サーレント、リザという3名の主人公にそれぞれ異なるシナリオが用意されていて、「人類に残された16日」という期間を描いたストーリーが展開。別の主人公が起こした出来事をほかの主人公の視点で見たり、主人公同士が交流したりと、マルチな視点で真相をたどるザッピング的なシナリオの面白さがありました。

 そして本作を語るうえで外せないのが「言霊システム」です。「言霊」とはいわゆる魔法のことで、82文字のカタカナの中から最大6文字を選んで、プレイヤーが自在に「言霊(魔法)」を作り出すことができます。

 作中には火属性を意味する“イグ”や、水属性を意味する“アク”といった言霊があり、これに別の言葉を付け足すことで威力をアップしたり、対象が複数になったりと、試行錯誤することができるのです。

 また、そんな法則を無視した完全にオリジナルの言霊を作ることも可能。面白いのは『ドラクエ』の“ホイミ”や『ファイナルファンタジー』の“ケアル”といった他作品の定番の魔法名を入れると、しっかり回復効果を持った言霊として機能するといった遊び心までありました。

 かつてはWiiやWiiUのバーチャルコンソールでも遊べましたが、現在はスーファミの実機以外でプレイはできません。『FF』や『サガ』シリーズほど知名度はないかもしれませんが、『ルドラの秘宝』もスクウェアが生んだ画期的なRPGですので、いつかリメイクされてほしいと願うファンは多いはずです。

■キャラクターの切り替えで進む謎解きが秀逸だった『マーヴェラス』

 最後に紹介したいのは、1996年10月26日に任天堂から発売された『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』です。

 本作は伝説の海賊が残した宝「マーヴェラス」が隠されているという島にキャンプにやってきた3人の少年を操作し、宝島に残された謎を解いていくというアクションアドベンチャーです。

 スーファミの『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のような見下ろし型のフィールドを駆けめぐり、謎解きをしながら物語を進めていきます。

 ディオンはダッシュやキャッチボールが得意で、ポッチャリ系のマックスは移動速度が遅いものの泳ぎが達者。ノッポのジャックは手先が器用で、釣りが上手といったそれぞれの得意分野があります。それぞれ個性の異なる3人の少年を切り替えながらいろんなギミックをクリアし、時には3人が力を結集する「チームワーク」というコマンドが使える点もユニークな要素です。

 全体的に難易度は抑えめでゲーム内にヒントも多く、任天堂のゲームらしい親切設計で、幅広い年齢層のプレイヤーが楽しめる内容。これまで続編やリメイク作品が発売されていないのが不思議なくらいです。現在、「Nintendo Switch Online」で原作はプレイできるので、未プレイの人はぜひ一度は遊んでみてほしい傑作です。


 今回紹介した1996年に生まれたスーファミの3作品は、斬新な要素があって、それぞれ完成度も高い、掛け値なしの傑作ぞろい。発売時期の関係もあってか知名度はそこまで高くなく、いまだに続編やリメイク作品が生まれていません。

 しかし、いずれもゲームハード末期という成熟した時期を彩ったハイクオリティな作品なのは間違いないので、もし遊んだ経験がない人がいたらプレイしてみてほしい作品ばかりです。

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