■作中ベスト3の実力者は…
1人目は鹿戸農業高校の矢農政明、通称バカ牛だ。バカ牛は作中で、その規格外のパワーを何度も証明している。握手しただけで相手の手を砕くなど、破壊力だけなら作中最強クラス。天保工業高校の副番・朴をワンパンで二度も失神させており、右の一撃は必殺と呼べる威力である。正々堂々の素手でのタイマンであれば最強かもしれない。
しかし、ナイフを出された途端に動揺し、右手を切られて戦線離脱したように、卑怯な手や凶器への対応力には不安が残る。そのため「不良のケンカ」という総合力では、次の2人には届かないと思われる。
続いては、不良たちからも恐れられる「松沢くん」こと松沢である。高校時代にたった1人で8人を半殺しにし、大阪で複数人のヤクザに大ケガをさせたなど、その武勇伝は完全に別次元である。実際にヒロシと対峙した際も、ほぼノーダメージでヒロシを重傷に追い込み、実力差をはっきり見せつけた。冷静さと余裕もあり、人数差すら問題にしない度胸も絶対的な自信の表れだろう。
そして、その松沢を上回るのがトオルの中学時代の番長・源田ツトムだ。「鉄腕ツトム」の異名を持ち、トオルが中学時代を思い出すだけで暗い顔になるほどのトラウマ的存在だ。
3対1のケンカも無傷で終わらせており、“生涯に2度しか顔面にパンチを入れられたことがない”と豪語していることにも真実味がある。中学から番を張り、半分闇社会に身を置いているだけに、くぐり抜けてきた修羅場の数も測り知れない。
松沢はヒロシに何発か殴られていたこともあり、源田のほうを上に評価した。また、ヤクザにドスで刺されても動じず、すぐさま頭突きで反撃した点を見ても、ナイフで切られて「痛い」と戦うのを止めたバカ牛とは根性が段違い。その強さは、他のキャラとは完全に一線を画しているといえる。
読者それぞれに“推し”の強キャラはいるだろうが、こうして振り返ると、本作が単なるギャグ不良漫画ではなく、強さの描写にも一貫した説得力を持っていることが分かる。だからこそ今もなお、“最強論争”が止まないのだろう。


