【実写化作品「人気女優の妖艶アクション」4】「清野菜名」チラ上等の体当たり演技!ミニ衣装で魅せた「本格格闘シーン」の画像
井上三太氏の漫画『TOKYO TRIBE2』 第1巻(SANTASTIC! ENTERTAINMENT)

 近年、漫画や小説の実写化が増えている日本の映像業界。そのなかでもアクション作品は、身体表現のクオリティが求められる分、実写化のハードルがひときわ高いジャンルである。

 原作ファンからの期待が高まる中、作品の完成度を左右するのがキャラクターをどこまで再現できるかという点だ。そしてその鍵を握るのは、やはり俳優の演技力の高さにほかならない。

 そうした難しい条件の中でも、原作さながらの奇抜な衣装に身を包み激しいアクションを体当たりで演じた女優たちはひときわ強い印象を残してきた。単にビジュアルを再現するだけでなく、動きの一つ一つでキャラクターの存在感を示していた点は大きな魅力と言えるだろう。

 そこで今回は、ビジュアルもアクションも一切妥協せずにキャラクターの魅力を体現した、人気女優たち振り返っていく。

(第4回/全5回)

■アクション女優の道を開拓した清野菜名さん『TOKYO TRIBE』

 可愛らしいルックスに色気を漂わせ、幅広い作品の中で確かな存在感を放っている清野菜名さん。2007年に雑誌『ピチレモン』の専属モデルとしてデビューし、その後、女優としても活動の場を広げていった。そんな彼女にとって映画作品への初挑戦となったのが、オーディションで抜擢された2014年公開の『TOKYO TRIBE』である。

 そして、本作で見せた高い運動能力と体当たりの演技がその後のキャリアを語るうえで欠かせない重要な転機となった。

 『TOKYO TRIBE』は、1993年に出版された井上三太さんによる書き下ろし作品を原作とするシリーズ。架空の街・トーキョーを舞台に、アンダーグラウンドで生きる過激な若者たちの姿を描き、長年にわたって根強い支持を集めてきた。

 実写映画のベースとなったのはファッション誌『boon』で2002年から連載された『TOKYO TRIBE2』で、園子温監督がシリーズ1の要素も織り交ぜながら再構築。鈴木亮平さんや染谷将太さんら豪華キャストがラップでセリフを放つミュージカル調の演出も話題を呼び、強烈なアングラ感を放つ一本に仕上がっている。

 そんな作品の中で当時19歳だった清野さんが演じたのは、組織から身を隠してトーキョーに潜伏する中で抗争に巻き込まれていくヒロイン・スンミ。フレッシュな可愛さはもちろん、本作における大きな見どころとなっているのが、ミニスカ衣装でパンチラ上等のハイキックやバク転などのアクロバティックな動きを駆使した格闘シーンだ。

 アクションの数々は、スタントに頼らず清野さんの身体能力のみで演じられている。荒くれ者だらけでクセが強い世界観の中でも埋もれず、キャラクターの存在感が際立っている点は印象的だ。この完成度の高さは、すでにアクション女優として開花していると言っても過言ではないだろう。

 実は、清野さんは走り幅跳びで全国大会に出場した経験を持つほど運動神経抜群なのだ。そのうえ、学生時代に観た映画『バイオハザード』でのミラ・ジョボビッチのアクションに惹かれ、アクション養成所に通ったことがあるという。キレのある動きは、そうした経験と鍛錬に裏打ちされたものなのである。

 本作での演技が高く評価され、2015年には第36回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を、さらには第3回ジャパンアクションアワードでベストアクション女優賞を受賞することとなった。

 アクション女優の道を切り開いてからはますます輝きを増し、同年には『東京無国籍少女』で主演に抜擢され、第4回ジャパンアクションアワードでも最優秀ベストアクション女優賞も受賞している。

 映画初出演作『TOKYO TRIBE』は、清野さんのアクション女優としての才能を全国に印象づけた、原点にして飛躍のきっかけとなった一本と言える。ポテンシャルの高さを遺憾なく発揮するその姿、過激なシーンにも臆さない女優魂は後の活躍を予感させるものだった。

  1. 1
  2. 2