■まるで恋人同士…オルデン家での初めてのダンス
2人の関係を語るうえで特に印象的なのが、第15話「厄介事の匂い」で描かれたダンスシーンだ。旅の途中、フリーレンたちは貴族であるオルデン卿からある依頼を受ける。
その内容は、亡くなった彼の息子の“代役”として、シュタルクに3か月後に開かれる社交会に出席してほしいというものだ。旅の資金が尽きかけていたこともあり、一行はこの話を引き受けることにする。
シュタルクは身なりを整えられ、貴族としての作法やダンスの指導を受け、社交界に備える。そして、同伴者としてフェルンも参加することになった。
社交会当日、一緒に踊り始めた2人の表情は硬い。特にフェルンが緊張しており、ダンスを楽しむ余裕などまるでなさそうだった。しかし、そんな彼女の様子に気づいたシュタルクが巧みにリードして微笑んでみせると、フェルンも次第にリラックスした表情になっていく。お互い見つめ合いながら優雅に踊る姿は、まるで恋人同士のように見えた。
社交会が終わると2人はいつもの関係に戻るが、このイベントが彼らの距離をさらに縮めたことは間違いないだろう。
■ザインも「もう付き合っちゃえよ!」と叫んだ痴話喧嘩
最後は第17話「じゃあ元気で」で描かれた2人の喧嘩を見ていこう。その原因は、フェルンが冷たい手でシュタルクの頬に触れるいたずらをし、シュタルクが同じことをやり返したという些細な出来事だった。
フェルンはこれに驚いてしまい、シュタルクを拒絶するような態度をとる。軽い気持ちでお返しをしただけのシュタルクは、彼女がなぜ怒ったのか理解できずに戸惑う。一方のフェルンは、触られたこと自体は気にしなかったが、シュタルクの力が思いのほか強いことに気づき、怖くなってしまったのだという。
そこで彼らの仲を取り持ったのは、やはりザインである。彼がそれぞれの言い分を聞き、お互いの気持ちを正直に伝えさせたことで、2人は無事に仲直りを果たした。
このように2人はたびたび喧嘩をするが、根本的に嫌い合っているわけではないので、素直に謝ってすぐに元通りになることが多い。そんな2人を見かねたザインが「もう付き合っちゃえよ!」と口にする場面は、多くの視聴者の共感を呼んだことだろう。
アニメ第1期を通して、シュタルクとフェルンは互いの内面を知り、少しずつ心を通わせていった。まもなく放送が始まる第2期では2人の関係がどのように描かれていくのか、ますます目が離せない。


