原作:山田鐘人氏、作画:アベツカサ氏による人気コミック『葬送のフリーレン』(小学館)。長命なエルフの視点を通じて繊細な人間ドラマを描く本作は、日本ではもちろん、海外でも非常に人気が高い。2023年から2024年にかけてテレビアニメが放送されると、さらに大きな反響を呼び、2026年1月16日からは、ファン待望のアニメ第2期が放送開始となる。
本作ではさまざまな登場キャラの“関係性”が注目を集めるが、特にフリーレンとともに旅をするフェルンとシュタルクは話題になることが多い。同年代で、どことなくお互い意識しているような気配がある2人。もどかしくも愛らしいやりとりは、見る者を微笑ましい気持ちにさせる。
そこで今回はアニメ2期放送開始前に、1期にて描かれたフェルンとシュタルクの“胸キュンエピソード”をいくつか紹介する。
※本記事には作品の内容を含みます
■心を通じ合わせたシュタルクの誕生日
第12話「本物の勇者」にて、シュタルクは18歳の誕生日を迎える。しかし、フェルンはそのことを知らず、当日の朝にフリーレンから聞かされ、何かプレゼントを用意しなければと焦る。
シュタルクの好みがわからないフェルンは、何を贈ればいいのか思い悩む。結局、本人に聞くのが一番だと考え、シュタルクを探し始めるが、なかなか見つからない。町の人に尋ねて回るフェルンは、“荷車を押すのを手伝ってくれた”、“木から下りれなくなったところを助けてくれた”と、彼らの話からシュタルクの心優しい性格を垣間見る。
ようやくシュタルクを見つけたフェルンが、誕生日に何か欲しい物がないか尋ねると、彼は戸惑った様子を見せる。これまで誕生日プレゼントをもらった記憶がないシュタルクは、突然の申し出に困惑してしまうのだ。
しかし、この出来事をきっかけにシュタルクが自身の過去を打ち明けたおかげで、フェルンは初めて彼の内面を深く知ることになった。
戦士の村に生まれ、優秀な兄を持つシュタルクは、幼い頃から兄と比べられ冷遇されて育ってきた。そんな経験から自分を「逃げてばかりの失敗作」と卑下するシュタルクに対し、フェルンは「私の見てきた戦士シュタルクは 一度たりとも逃げだしていません」と笑顔で励ましの言葉をかける。
このやり取りを通し、2人の距離はぐっと縮まったのだろう。その後、シュタルクが金のブレスレットを欲しがったときの、「それは高いからダメ」「はい」というやりとりにも打ち解けた雰囲気が感じられた。
結局、シュタルクは銀のブレスレットを買ってもらい、2人で仲良く並んで帰っていく姿も描かれている。今後の進展を予感させるような、心あたたまるエピソードだった。
■“花言葉”にときめく、フェルンの誕生日
シュタルクの誕生日の後、第14話「若者の特権」にて、今度はフェルンが誕生日を迎える。彼女はシュタルクからのプレゼントをひそかに期待していたが、彼は何も用意しておらず、すっかり機嫌を損ねてしまう。
むくれたフェルンが言いすぎて、さすがのシュタルクも我慢できず大喧嘩に……。そこで頑なになったフェルンに助言したのが、一時的にパーティに加わっていた僧侶・ザイン。彼のおかげで2人は無事に仲直りでき、さらにシュタルクはプレゼントを忘れていたわけではなく、一緒に選びに行きたかったことも判明した。
市場で3時間もかけてシュタルクが選んだプレゼントは、銀のブレスレットだった。シュタルクが彼女にもらったのも銀のブレスレットなので、おそろいみたいなものだ。
ただし、フェルンが贈られたブレスレットには鏡蓮華の飾りがついており、その花言葉は「久遠の愛情」。ザインからその意味を教えられたシュタルクは、意図せず選んだとはいえ、ひどく動揺してしまう。
しかしフェルンのほうは、花言葉を知った後でも恥ずかしがることなくブレスレットを身につけ続けている。その意味も含めて、プレゼントを心から喜んでいる証拠だろう。


