雨穴『変な地図』がビルボード総合書籍チャート初代1位に!授賞式では「自作の歌」の披露もの画像
雨穴『変な地図』がビルボード総合書籍チャート初代1位に!授賞式では「自作の歌」の披露もの画像

 ビルボードジャパンは11月6日、日本初となる紙書籍・電子書籍・図書館貸出などを統合した総合書籍チャート「Billboard JAPAN Book Charts」をスタート。

 そして、第1週目となる総合書籍チャート「JAPAN Book Hot 100」で第1位を獲得したのは、覆面ホラー作家・雨穴さんの『変な地図』(双葉社)となった。

 これを受け、12月16日にビルボードライブ東京で授賞式が開催。雨穴さんが登壇し、受賞の喜びを語った。

 登壇した雨穴さんは、おどけた動きで観客を和ませつつ、「寒い中お越しいただきましてありがとうございます」と丁寧にあいさつ。トロフィーを受け取るにあたり「万が一にも滑って落とさぬように」と、滑り止め付きの手袋を準備してきたことを明かした。

 そして、受賞した感想として、「自分の人生においてビルボードのステージに立つ日が来るとは思っておらず大変緊張しております」と心境を吐露。途中で言葉が詰まったり、誤ってお面が外れたりする可能性にも触れ、「そういう時は見て見ぬふりをしていただければ」とコメント。さらに、自身の肩書を改めて振り返り、「こんな格好していますが、小説家です。米沢穂信さんと同業者です」と、独特の言い回しで会場の笑いを誘った。

 今回受賞となった『変な地図』は、雨穴さんがこれまでに上梓した変なシリーズ4冊目の作品となる。これまでに『変な家』、『変な絵』、『変な家2』を発表しているが、今回の『変な地図』との共通点として、文中に挿絵を多く用いていること、ホラーとミステリーを合わせた“ホラーミステリー”であることなどを挙げた。

 その一方で、今回の『変な地図』は、過去作と異なる点もあるといい、過去3作は「100%読者のために」書いたのに対し、今作は「30%ぐらいは自分のために書きました」と説明。自身が長らく胸の内にしまってきた“王道小説を書きたい”という思いを、シリーズの集大成になる4作目で初めて形にしようと決めたという。

 制作過程についても説明があり、従来の世界観を維持しながら王道的な物語を組み合わせることに苦戦し、完成までに10か月以上を要したとも明かした。

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