■アーケード版の再現度が高かった『忍者くん 阿修羅の章』
私が『忍者くん 魔城の冒険』と初めて出会ったのは中学生のとき。塾の近くにある、1クレジット50円で遊べるゲームコーナーに、『マッピー』や『ドルアーガの塔』(ともにナムコ)、『ソンソン』(カプコン)、『フロントライン』(タイトー)、『タイムパイロット』(コナミ)なんかと一緒に置かれていました。
そのなかで、1コインでわりと長い時間遊ばせてくれるのが『忍者くん 魔城の冒険』だったんですよね。
敵の忍者に手裏剣を当てると、顔を隠した頭巾から目玉が飛び出したような、あり得ない描写になるのが印象的で(笑)。頭身の低い、小さなキャラでのコミカルな描写を楽しんでいました。
あんなに小さいサイズで、ダルマや鬼、歌舞伎といった敵を描き分けているのを見るのも大好きでした。その頃は、将来自分がゲーム会社でドット絵を描くとは思ってもいませんでしたが……。ファミコン版は、アーケード版の雰囲気が損なわれることなく移植されていて、うれしかったんです。
そして大好きだったのが『忍者くん 阿修羅の章』。これもはじめ、アーケードで遊んでいたのですが、すごく難しくて、クリアするまでとてもおこづかいが持たない。
だから、お金の心配をせずに遊べるファミコン版はありがたかった。コンティニューはできますがセーブはできないので、はじめたら最後までやるしかない。たいへんな思いをしてなんとかクリアしました。
画期的だったのは三角跳びのアクション。この作品で初めて採用されたのかどうかはわかりませんが、少なくとも私は初めてでした。このあと、いろいろなゲームに採り入れられた印象があります。
アーケード版では、和風で哀愁漂うメロディアスなBGMや、美しい演出に惹かれていたんですよね。とくに水中のステージで、真っ暗な海底から上昇していくと、少しずつ明るく、青くなっていくところが好きでした。ファミコン版での再現度も、かなりのものでしたよ。主人公の何倍も大きな敵キャラも、ちゃんと動いていましたし。
“阿修羅の章”というタイトルなので、ほかに何章かあってもいいと思うんですけど、今のところ“阿修羅の章”だけなんですよねー。ぜひ新章で遊びたいです!(笑)
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。


