■『宇宙刑事ギャバン』から引き継がれし圧巻アクションとドラマ性
恐怖描写も多かった『シャリバン』ではあるが、先代『ギャバン』から引き継いだ魅力的な要素も忘れてはならない。
ワイルドな風貌の大葉健二氏(ギャバン)と比べ、渡氏が演じた電は熱血漢ながらどこかナイーブなイメージで、「奇星伝」で語られる電のルーツや使命を体当たりで演じた。さらに渡氏は危険なアクションもJAC出身者ならでは高い身体能力で華麗にこなしている。
電がコンバットスーツを装着し、シャリバンになるための「赤射蒸着」のポーズも圧巻のかっこよさ。ナレーションを担当する政宗一成氏による「宇宙刑事シャリバンは、1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。では、赤射プロセスをもう一度みてみよう」という“お約束”ナレーションに毎度ワクワクしたものだ。
シャリバンもギャバンと同様にレーザーブレードを保持するが、物語終盤ではイガ星の守り刀である「聖なる剣」との二刀流で戦う。その勇姿には、宇宙刑事であると同時にイガ戦士としての決意も表れており、多くの視聴者を魅了した。
もちろん同作の音楽を担当したのは、宇宙刑事シリーズの多くの楽曲を手がける渡辺宙明氏。『宇宙刑事シャイダー』の挿入歌「不思議ソング」で歌声を披露するほど、本シリーズとかかわりが深い作曲家である。
串田アキラ氏が歌唱した主題歌や挿入歌は人気が高く、つらい時に思わず「空を見ろ、うつむかないでさ」と口ずさんでしまうファンも多いだろう。
子ども向けの特撮番組でありながら、大人も十分に楽しめるドラマが描かれた『シャリバン』。とくに伊賀電という青年のドラマチックな背景を中心に、傑作と呼ばれるエピソードも多かった。
そして令和の新しい特撮ヒーローの赤いメタルスーツを見て、『シャリバン』の勇姿を思い出した往年のファンもいたはず。暗闇にも映えるシャリバンの赤いメタルボディは昭和の子どもたちに勇気と希望を与えてくれたが、『ギャバン インフィニティ』は令和の子どもたちにどのような感動を与えてくれるのだろうか。


