■謎多き主人公・伊賀電の正体は…!?
森林パトロール隊員として働いていた電は、自然を愛する“普通の青年”だったが、なぜか常人離れした運動神経の持ち主。幼い自分を守るため熊に立ち向かって命を落とした父・電一郎を「本当に強い男」と尊敬していた。
ギャバンと遭遇したときの電は、森の動物を脅かしていると誤解して襲いかかり、間違いだと気づくと土下座して謝罪。あげく自分を殴ってくれと頼むも断られ、ならばと自分で自分のことを殴るというバカ真面目な人物である。
本人さえ知らなかったが、実は電の正体は、かつてマドーに滅ぼされた「イガ星人」の子孫であることが判明する。本作中盤からは電の生い立ちや使命を中心に描かれる「奇星伝」と呼ばれるストーリーが展開。マドー壊滅後に電はイガ星地区の担当となり、イガ星の再興に尽力するかたちで地球担当から外れた。
そんな伊賀電を演じたのは、JAC(ジャパン・アクション・クラブ)で『ギャバン』のスーツアクターなどを務めた渡洋史氏。渡氏は1986年放送の『時空戦士スピルバン』でも主役に抜擢され、再びメタルヒーローシリーズの主演を務めている。
シャリバンのパートナーとして共に地球に赴任したのがリリィ(演:降矢由美子氏)。前作『ギャバン』に登場したコム長官の娘ミミーとは違って、彼女はれっきとした女性宇宙刑事だ。得意の変装で潜入捜査や情報収集を担当し、電のことを弟扱いしながらバイクでの追跡調査や銃火器での戦闘サポートを担うなど頼れる存在である。
なお、ワイルドなイメージのリリィ役を演じた降矢氏は、『シャリバン』で共演した女優の長門美由樹氏(2代目・ミスアクマ役)とYouTubeチャンネルを運営。自身のXでは、「PROJECT R.E.D.」の公式ツイートに「赤いシャリバンじゃなくて、赤いギャバンだっ!!」と反応していた。
■ホラー性の強い一風変わった作風
『シャリバン』は「怪奇要素」「ホラー要素」が強い映像やストーリー展開が特徴。その象徴となったのが、敵の宇宙犯罪組織「マドー」の存在である。
美しい女性科学者ドクターポルター(演:吉岡ひとみ氏)はマドーの大幹部の1人で、ムチを武器にする妖術使い。かつて宇宙戦士狩りの際には女戦士ベル・ヘレンを拷問し、彼女の心に深い傷を残した。シャリバンを捕らえたときには殺人光線でいたぶるなど残虐な面を見せ、最終決戦では致命傷を負いながらも夜叉のような形相で戦い続けた。
そして『シャリバン』の恐怖描写を語るうえで忘れられないのが、マドーの軍師となるレイダーだ。物語中盤から現れたレイダーは、魔王サイコに認められてマドーに加わる。念動力を持つレイダーは、エクトプラズムを発生させる能力に加え、首を分離して相手の顔に貼りつけて操るという恐ろしい能力を持つ。
死の間際まで追い詰められたシャリバンはレイダーを見るだけで萎縮し、そのトラウマに苦しめられた。
レイダー役の安藤三男氏は『人造人間キカイダー』のプロフェッサー・ギル、『秘密戦隊ゴレンジャー』の黒十字総統など、“白塗り顔”の悪役で知られ、『シャリバン』でもその怪演によって子どもたちに恐怖を植えつけた。
ほかにも怪生物ガマゴン大王がミスアクマ2を丸飲みにして殺害し、レイダーも頭部と胴体を別々に破壊されて死亡するなど、筆者にとって『シャリバン』にあったホラー描写はとにかく怖かった。


