令和に再注目『ギャバン』だけじゃない!昭和特撮が生んだ「ヒーロー刑事」たちの斬新で重厚なドラマ  『ロボット刑事』に『電脳警察サイバーコップ』も…の画像
CD「宇宙刑事シリーズ ソングコレクション ~FOR NEXT GENERATION~」(日本コロムビア)

 『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)から50年続いた「スーパー戦隊シリーズ」が、現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(2025年)を最後に終了する予定であることが報じられた。

 テレビ朝日系列で日曜朝に放送されてきた東映製作の子ども向け特撮ヒーロー番組「スーパーヒーロータイム」(2003年命名)では、現在9時から「仮面ライダーシリーズ」、9時30分から「スーパー戦隊シリーズ」が担っている。

 この戦隊シリーズ終了の報にショックを受けた多くの特撮ファンが肩を落としたが、後継番組に「特撮刑事もの」が検討されているという報道も出ている。

 平成の特撮界を振り返ってみても、『特捜戦隊デカレンジャー』(2004年)や『仮面ライダードライブ』(2014年)といった刑事がヒーローへと“変身"する作品はいくつもあった。中でも『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)では、実直な警察官・朝加圭一郎が人気となったことも記憶に新しい。

 だが、昭和の時代にも個性的な魅力にあふれる特撮ヒーローの刑事たちがいた。ここでは、スーパー戦隊シリーズの後番組として突如脚光を浴びることになった「特撮刑事もの」の中から昭和を代表する作品を振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■ピカピカのメタルスーツとレーザーブレードに憧れた…『宇宙刑事シリーズ』

 昭和の特撮刑事といえば、真っ先にテレビ朝日系列で放送された「宇宙刑事シリーズ」の三部作を思い浮かべる人も多いだろう。

 1982年(昭和57年)の『宇宙刑事ギャバン』を皮切りに、『宇宙刑事シャリバン』(1983年)、『宇宙刑事シャイダー』(1984年)の3作が宇宙刑事シリーズと呼ばれている。

 今回スーパー戦隊シリーズの後番組が「特撮刑事もの」と話題になったときも「令和版『ギャバン』ではないか?」という声があがった。

 これら3作品の主人公は、いずれもバード星に本部を置く「銀河連邦警察」の宇宙刑事で、戦闘の際に装着するメタリックなコンバットスーツ、宇宙や亜空間なども移動可能な戦闘母艦、刃にエネルギーを込めることで威力を増すレーザーブレードの存在などが共通している。

 宇宙刑事シリーズの作品は同じ世界観を共有することで、視聴者が次回作へとすんなり入り込めるメリットもあった。

 ピカピカに光り輝くメタルスーツをまとった宇宙刑事が手にする武器レーザーブレードは、映画『スターウォーズ』(1977年)に登場したライトセーバーを彷彿させ、スタイリッシュでかっこいい。

 アメリカのSF映画ブーム、UFOや超能力などのオカルトブームなど、昭和の子どもたちを魅了する要素が作中に凝縮されていた。

 また個人的には、宇宙刑事たちのファッションやキャラクター性、心揺さぶる人間ドラマなどは、同時期に放送されていた刑事もの『太陽にほえろ!』(1972年)を思わせるものだった。

 宇宙刑事シリーズの人気を受け、以降1998年まで「メタルヒーローシリーズ」として17作品が制作。放送日時の変更を経て、第8作目の『機動刑事ジバン』(1989年)から日曜朝8時の放送に。のちに同枠は同じ東映制作の『仮面ライダークウガ』(2000年)から始まる「平成ライダー」が引き継ぐことになる。

 余談ではあるが、『機動刑事ジバン』は平成に元号が変わって3週間後(1月29日)から放送が開始されたため、“平成最初"の特撮刑事になる。

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