■サイエンス青春アニメ『瑠璃の宝石』
ふたつ目に紹介するのは、渋谷圭一郎さん原作の『瑠璃の宝石』。2025年7月から9月にかけて全13話が放送され、女子高生・谷川瑠璃が大学院生の荒砥凪との出会いを通じて、鉱物採集の世界へ踏み出す姿が描かれている。
キラキラ光るものが大好きな瑠璃が、自分の手で鉱物を見つけたいと山へ向かうところから始まった本作。河原で偶然出会った凪の案内で鉱石の採集に挑戦し、以降は、瑠璃と凪に加え、凪の研究室仲間・伊万里曜子、瑠璃の同級生・瀬戸硝子らも採集に参加し、鉄鉱探索を繰り広げていった。
可愛らしいキャラクターデザインから、一見ラブコメや日常モノと見間違うかもしれないが、本作はいわば“ゴリゴリのサイエンスアニメーション”といえる。
鉱石が生成される仕組み、地層ごとの特徴、採集方法などの知識が丁寧に紹介されており、NHKの教養番組と肩を並べても遜色ないほど、学びの密度が高い。作者の渋谷圭一郎さん自身が大学で鉱物学を専攻していた背景も大きく、作中のディティールも非常にこだわって作られている。
美麗に描かれた自然風景や、宝石の細やかな輝きも丁寧に作画され、自分の気持ちに蓋をしていた登場人物が、瑠璃や凪との出会いを通じてもう一度自分の気持ちに向き合うなど、キャラクターの成長劇としても高い完成度を誇る。SNSでも「作画がカンストしてる」「研究欲刺激系アニメだった…すごかった…」と、毎度のごとく高評価を得ていた。
アニメの最終シーンで、成長した凪と思われる後ろ姿が描かれていたこと、原作のストックがまだ多くないことから、2期の放送が実現可能なのかを慎重に見つめる声も少なくない。一方で、「アニメ2期、観たいよなぁ」「2期やるとしたら神回確定のシーンがある」など、続編に望みを託す声も絶えないのも事実だ。
“好き”を追いかけた先に知識が宿り、その知識がまた輝きへと変わっていく物語。1期で残してくれた学びと温かさは、これからも多くの視聴者の心に息づいていくだろう。


