ガンダム主人公を追い詰めた「無名パイロット」の驚異的戦い アムロ・レイ、シン・アスカを相手にあと一歩まで…の画像
ガンプラ「HGUC 1/144 MS-07 グフ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通エージェンシー・サンライズ

 「モビルスーツ戦」は『ガンダム』シリーズの大きな魅力であり、主人公と実力伯仲のライバルたちとの戦いは、より熱いものとして描かれている。

 逆に言えば、いわゆる「モブ」と呼ばれる名もなきパイロットたちは、残念ながら主人公やライバルのやられ役や引き立て役にされることが大半である。

 しかし長く続く『ガンダム』シリーズの中には、名もなきモブパイロットでありながら主人公や主要キャラをギリギリのところまで追い込むなど、視聴者の予想を超える活躍をした驚異の存在もいた。

 そこで今回は作中最強と謳われる主人公たちをギリギリのところまで追い詰めたり、想定外の有効打を与えたりした「驚異のモブパイロット」の活躍シーンを振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■アムロを追い詰めた!? グフ部隊による衝撃の大攻勢

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第23話「マチルダ救出作戦」の回では、ホワイトベースに補給物資を運ぶマチルダ率いるミデア輸送隊がジオン軍に襲われる。「ドダイ」と呼ばれるサブフライトシステムに乗ったグフのいる部隊だった。

 グフといえばランバ・ラルの愛機として有名だが、今回登場したグフに乗っていたパイロットは仲間に「エイブ」と呼ばれた兵士以外は名前すら分からない一般兵ばかりである。

 マチルダ救援のためにコア・ファイターで出撃したアムロは、1機のグフを撃墜するが、ガンダムに換装しないと残りのグフは叩けないと判断。戦場でガンダムへと換装させた。

 そしてアムロが不時着したミデアに向かおうとすると、エイブの乗るグフがヒート・ロッドでガンダムを捕縛。電磁ムチから大電流を流してガンダムの脚部に深刻なダメージを与える。あわや撃破かと思われたとき、ビームサーベルを抜いたガンダムに脚を斬り飛ばされてグフは大爆発を起こした。

 そこにドダイに乗った3機目のグフが飛来。脚の回路を損傷し、腹部にもヒート・ロッドによるダメージを負ったガンダムはまともに動けない状態。尻もちをついたガンダムに、グフが空中から攻撃を仕掛けようとしたとき、アムロは敗北を悟ったのか絶望的な悲鳴をあげている。
 
 その絶体絶命のピンチに、ハヤトが乗る新支援メカ「Gファイター」が到着。その機体上に乗ったガンダムは、なんとか残りのグフを倒して危機を脱するのだった。

 先にはベテランのエースパイロット「ランバ・ラル」を倒し、続いてのエピソードではジオンのエース部隊「黒い三連星」を撃破することになるアムロだが、この回のグフの部隊には想像以上に大苦戦。アムロ自身が、死を覚悟したかのような凍りついた表情で絶叫するシーンまで描かれた。

 これらのグフに乗っていたのは有名なエースではなく、ほぼ無名のモブパイロットだっただけに、非常に印象に残る一戦といえるだろう。

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