■またしてもグフ!? 最強のガンダムに被弾させたのは?

 最強の主人公を追い詰めたモブパイロットの乗る「グフ」は、実は別の作品にも存在する。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第39話「天空のキラ」の回では、キラ・ヤマトの専用機「ストライクフリーダムガンダム」が初登場する。

 作中最強の機体として知られるストライクフリーダムではあるが、その機体に唯一被弾と呼べる有効な攻撃を与えたのが、この回に登場したモブパイロットの乗る「グフイグナイテッド」だった。

 結果だけ見れば、初出撃したストライクフリーダムは、2分で25機のザクウォーリアとグフイグナイテッドを圧倒し、その実力を示したシーンでもある。

 しかし、さすがのキラとはいえ敵機は多数。また初出撃だけに調整しきれない部分もあったのか、グフイグナイテッドのムチ「スレイヤーウィップ」を右脚と左腕に受けている。しかし、ムチによる追加のダメージが入る前に背面に備えた「スーパードラグーン」によるオールレンジ攻撃によってスレイヤーウィップは破壊され、脱出されてしまう。

 新型機ストライクフリーダムのお披露目のため、ファーストガンダムのオマージュのように登場したグフの予想外の活躍。ストライクフリーダムの本体に、作中唯一ともいえる攻撃を当てたことは快挙といえるだろう。このグフに乗っていたのは名もなきモブパイロットとはいえ、「ザフトレッド」と呼ばれるエリートたちである。その面目躍如といったところだろうか。

■異形のモビルアーマーに乗った一般兵があわや大金星!?

 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』には、他にもモブパイロットが主人公を撃破寸前まで追い詰めるシーンがある。

 第12話「血に染まる海」では、主人公のシン・アスカが乗るインパルスガンダムが地球連合軍の新型モビルアーマーと激突した。

 その大型モビルアーマーの名は「ザムザザー」。その機体に搭乗していたのは連合軍の名もなき一般兵3名である。同機は甲殻類を思わせる重厚な装甲を持ちながら、大出力スラスターによって高い空戦能力を備えていた。

 戦艦ミネルバが放った陽電子破砕砲「タンホイザー」を、ザムザザーはビームシールドである「陽電子リフレクター」を展開して無効化。それを目の当たりにしたシンにも衝撃を与える。

 インパルスで交戦したシンは「なんて火力とパワーだよ、こいつは」とつぶやき、ザムザザーの戦闘力に驚きを隠せずにいた。

 さらにザムザザーの搭乗員はシンの一瞬の隙を見逃さず、クローでインパルスを捕獲。長引く戦闘でインパルスのエネルギーは枯渇し、実体武器を防ぐ「ヴァリアブルフェイズシフト装甲」もパワーダウン、インパルスは右脚を引きちぎられた。

 このときシンは薄れゆく意識の中で死を悟ったかのような描写があったが、突如「SEED」を発現。これは『ガンダムSEED』の世界で限られた人物だけに起きる覚醒状態であり、シンはこの場面で初めてSEEDに覚醒する。

 その後、インパルスは母艦からエネルギー供給を受けると、覚醒したシンはそれまで苦戦していたのが嘘のようにザムザザーを圧倒。一気に接近してコクピットにビームサーベルを突き刺して撃破した。

 シンの覚醒を促すきっかけとなったザムザザーだが、それに搭乗していた3名は名もなき一般兵である。シンの覚醒前にもう一押しできていれば、殊勲の大金星を挙げた可能性も十分に考えられただけに惜しかった。

 

 こうして振り返ってみると、無名のパイロットが主人公を追い詰める場面は、総じて新型機や主人公の覚醒を演出するシーンに多いことが分かる。有名なライバルキャラがガンダム主人公を追い詰める展開は珍しくないが、相手が無名のモブパイロットだと余計に視聴者の印象に残りやすいのかもしれない。

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