公式発表は「完結」でも… 『スパロボY』クリア組が感じた「続編を期待したくなる」3つの理由  『水星の魔女』の進展具合に『ガンダムSEED』の伏線らしき描写も…の画像
PS5版『スーパーロボット大戦Y』(バンダイナムコエンターテインメント)パッケージより

 2025年8月28日に発売されたシリーズ最新作『スーパーロボット大戦Y』(バンダイナムコエンターテインメント)。前作『スーパーロボット大戦30』から約4年ぶりの新作であり、ファンの期待もひとしおだった作品だ。

 参戦作品には続編があるものが多く、発売前は「連作前提なのでは?」という噂も飛び交ったが、先行体験会などで、メーカー側は「スパロボYだけで完結する」と明言していた。

 しかしスパロボ歴25年の筆者が『スパロボY』を発売日に購入し、トロフィーコンプリートまでプレイして感じたのは、「やはり続編があるのではないか?」という疑念だ。

 公式発言がある以上考えすぎだとは思うが、筆者が最新作『スパロボY』のゲーム内の描写から、続編の可能性を感じてしまう点についてつづってみたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■おなじみのライバル共闘だけど機体的には不完全燃焼?

 『スパロボY』には、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から、ほとんどの『スパロボ』作品にて最強クラスの能力をもつ「アムロ・レイ」と、そのライバルである「シャア・アズナブル」が参戦している。

 シャアは作品によっては敵サイドに回ることもあるが、今回は味方としてそれなりに長い期間戦ってくれる。それだけではなく、アムロやカミーユ・ビダン、ブライト・ノアといった顔なじみのキャラクターとの絡みは、より深掘りされていた。

 とくにアムロとは完全に意気投合しており、軽口を言い合うシーンや互いを認め合うシーンが数多く描かれ、ふたりが酒を酌み交わすシーンさえあった。

 戦闘面でもアムロとシャアの力は圧倒的だが、使用機体は「νガンダム」と「サザビー」どまり。過去の『スパロボ』作品では隠し機体などで登場する発展型の「Hi-νガンダム」や「ナイチンゲール」は『スパロボY』に未参戦だった。

 ちなみにスマホアプリ『スーパーロボット大戦DD』(バンダイナムコエンターテインメント)では、すでにHi-νガンダムとナイチンゲールによる合体攻撃「ダブル・ファンネル」まで披露している。

 ガンダムファンにとって、いわゆる「お祭りゲー」である『スパロボ』最新作で、アムロとシャアの共闘にまだインフレの余地が残されているのは正直、不完全燃焼であり、あえて次回作のために残しているのではないか……と深読みしたくなる。

■注目せざるを得ない「劇場版への伏線!?」

 『スパロボY』の参戦作品であるアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は、続編である劇場版『SEED FREEDOM』が2024年1月に公開されたばかり。

 『スパロボ』作品の大まかな開発スケジュールを知るファンからは「FREEDOMの公開タイミングだと、スパロボ参戦は開発時期的に難しい」「早くスパロボでも見てみたい」といった声があがっていた。

 そんな中で「スパロボYだけで完結」と公式発表されたものの、ゲーム中には『FREEDOM』へのつながりを感じさせる伏線のような描写がいくつもあるように感じられた。

 劇場版『FREEDOM』では、「キラ・ヤマト」と「シン・アスカ」が共闘。ふたりは冒頭から師弟のような関係として描かれていたのが、ふたりがそういう間柄になった過程は描かれていなかった。

 しかし『スパロボY』では、このふたりの関係が深まるエピソードが描かれており、これまでキラとともに戦ってきた「アスラン・ザラ」も、シンにキラの背中を託すというシーンがあったほどである。

 個人的には、まるで『DESTINY』から『FREEDOM』で変化した人間関係を補完するようなストーリーを、あえて『スパロボY』で描いているようにも思えた。

 さらにキラの恋人であり、戦艦エターナルでともに戦う「ラクス・クライン」も、『スパロボY』の中で、「自分らしいパイロットスーツがほしい」と発言する場面があった。これは劇場版『FREEDOM』で初めて着ることになった、羽の意匠が取り入れられたラクスオリジナルのパイロットスーツのことを指しているようにも思えたが、どうなのだろうか。

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