■「車での移動中」ひとり時間に楽しむコア情報

ーー森川さんの“ひとり時間”が垣間見えました。ほかに“ひとり時間”の好きな過ごし方はありますか?

森川 僕がひとりになる時間って、車での移動中なんですよ。通勤ですね。そのとき、動画の音声だけを聞いています。

ーーどんな動画ですか?

森川 野球です!

ーー横浜DeNAベイスターズの大ファンなんですよね。

森川 そうです。知り合いの元プロ野球選手のコアな解説動画を聴いています(笑)。

ーー森川さんのSNSを拝見すると、かなりお好きなことが伝わります。

森川 もう選手からも「森川さんって球団職員なんですか?」と言われるくらいですからね(笑)。

ーー負けたら荒れるんでしょうか?

森川 いや、みんな知り合いなので荒れないですね。「大丈夫かなあ」と心配しちゃいます。デッドボールを受けた日には「明日大丈夫かな!?」と本当に心配になります。2軍の選手の情報もいろいろと把握しているし、試合中継の解説ゲストで現地に行ったりするんですが、好きなことを仕事にするのってあまりよくないと思いつつ、趣味と実益を兼ねていますね。

ーー趣味を仕事にするのは好ましくないんですか?

森川 小さい頃から大好きでずっと応援しているチームなんですが、そんな「憧れのプロ野球選手」が知り合いになってしまって……。家族ぐるみの付き合いもするようになり、近すぎて応援の仕方が変わってきちゃったんです。いちファンだと勝手なことが言えますが、今は選手を呼び捨てにすることなんてできませんから。そういう意味ではちょっとさみしいというか、変わっちゃったな……というのはありますが、ファンでありずっと応援していることには変わりないので、これからもファンでい続けます。

ーー一番仲が良いのは?

森川 三浦(大輔)監督です(※今季限りで退任)。ずっと家族ぐるみで付き合っていて、オフの日は一緒にゴルフに行ったり食事をしたりしますね。

ーー野球解説などもしたり、仕事の幅が声優に限らず幅広い森川さんですが、今年12月で40周年を迎えます。40年の中で、まっさきに思い浮かぶ印象的なことは?

森川 『宇宙の騎士テッカマンブレード』(1992年〜1993年、テレビ東京系)に主人公として出させていただいたことですね。このときに主人公を任されたことで「声優としてやっていくぞ」という責任感のようなものが生まれました。それまではモブや脇役をやらせてもらっていてそれはそれで楽しかったんですが、座長として任させることの大切さを感じた出来事でした。

 その後もたくさんのアニメをやらせてもらいましたが、ある時期から「後輩がたくさんできて先輩もたくさんいるし、どんどん人が増えていくこの世界で、僕はやっていけるんだろうか」と考えるようになりました。それまでは、そんなこと何も考えていなかったんですけどね。

 そんなときに出会ったのが三浦建太郎先生の『ベルセルク』でした。原作は好きで読んでいた中でオーディションの話をもらい、「この作品に関わったら自分の中の何かが変わるんじゃないかな」と思いながらガッツのオーディションを受けたんです。

ーー森川さんは主人公・ガッツの宿敵グリフィスを演じています。

森川 最初はガッツを演じるつもりだったんですよ。そしたら当時のマネージャーが三浦先生に「森川はグリフィスのオーディションもやらせてもらっていいですか? 森川はこのキャラクターが“大好き”だと言っているんです」と言ってくれて。僕は当時のマネージャーにそんなことは言っていないんですが(笑)、気を利かせてくれたんでしょうね。

 それでガッツのオーディションの後に「森川くん、こっちも読んで」と言われてグリフィスのセリフを渡されてパッと読んだら、三浦先生がとても気に入ってくださって、その場でグリフィス役が決まったんです。

ーーグリフィスとの出会いには、そんな背景があったんですか。

森川 そうなんです。いざグリフィスをやることになると、まあ大変でした。もうね、吐くほど大変だった。40年間のことを思い返すと、そんなことを思い浮かべますね。

■森川智之/もりかわとしゆき
1月26日生まれ、神奈川県出身。代表作に『クレヨンしんちゃん』(野原ひろし役)、『ズートピア』(ニック・ワイルド役)、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』(吉良吉影役)、『鬼滅の刃』(産屋敷耀哉役)など。2025年12月で声優デビュー40周年を迎える。

■アニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』作品概要
 大人気キャラクター漫画『クレヨンしんちゃん』の公式スピンオフとして、しんちゃんの父・野原ひろし(35)の昼メシにまつわる出来事を塚原洋一が描いたメシ漫画がアニメ化!
「クレヨンしんちゃん」シリーズでは描かれていない、サラリーマンとして家族のために働くひろしの束の間の息抜き=昼メシを、限られたお小遣いと時間の中でこだわりにこだわり抜く姿<昼メシの流儀>を描き、累計発行部数(紙/電子)は80万部超え、さらに「まんがクレヨンしんちゃん.com」での2025年の累計PV数(10月中旬まで)は735万PVを超え注目を集めている話題作。
『クレヨンしんちゃん』原作ファンには嬉しいギャグとシュールな笑いも盛り込まれ、「熱い」、「辛い」、「甘い」など料理ごとに見せる様々なひろしの「顔芸」も魅力の一つ!
 そして、アニメーション制作はアニメ「秘密結社 鷹の爪」などで知られるディー・エル・イーが担い、フラッシュアニメーションで制作。普段はあまり見ることのできない働く男・野原ひろしの昼ドキの顔!
 はたして、どんな「昼メシ」が登場するのか!そして、ひろしが大事にする「流儀」とは一体!?
毎週金曜日 BS朝日にて、よる11時~OA!各動画配信サービスにて順次配信!

【スタッフ】
●監督:西山司
●シリーズ構成:森ハヤシ
●脚本:森ハヤシ、モラル
●キャラクターデザイン:山脇光太郎
●音楽:多田彰文
●原作:『野原ひろし 昼メシの流儀』(キャラクター原作:臼井儀人 漫画:塚原洋一/双葉社)
●制作:シンエイ動画
●アニメーション制作:DLE

【キャスト】
●野原ひろし:森川智之

(C)臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会

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