10月開始の秋アニメは中盤戦を迎え、すでに話題作が数々登場。大型タイトルからSNS発アニメ、オリジナルアニメやゲーム原作アニメなど多彩なジャンルがひしめき合い、そろそろ「今期の覇権」が気になる頃かもしれない。
その熱は日本だけでなく海外も同様のようで、今期の秋アニメランキングを見ると『僕のヒーローアカデミア』『SPY×FAMILY』『キングダム』と、いずれも大型タイトルが上位を独占している。ただ、その一方、ひとたび海外ファンたちのレビューやSNSを覗いてみると、日本とは一味違う盛り上がり方を見せる作品も存在する。
そこで今回はそんな海外人気の高い作品をクローズアップ。現在放送中の秋アニメの中から、王道作品に負けず、海外で想像以上の人気を誇る作品を見ていこう。その評価や、人気の背景はどんなものなのだろうか。
※本記事は各作品の内容を含みます。
■ジャパニーズホラーと百合の融合に「尊い…」の声多数!『私を喰べたい、ひとでなし』
まずひとつめは、苗川采さんの同名漫画が原作となった、『私を喰べたい、ひとでなし』。人と妖怪が織りなす、美しくも切ない少女たちのひと時が描かれたガール・ミーツ・ガール作品だ。
本作は世界中のアニメファンによる投票サイト「AniLab」にて毎週のようにTOP5入りを果たしており、一時は『ヒロアカ』『SPY×FAMILY』をも超えて1位になるなどの反響を見せている。
物語の主人公は、幼いころに家族を事故で失い、海辺の街にひとりで暮らす女子高生・八百歳比名子。過去の凄惨な記憶ゆえに息苦しさを覚え、希死念慮を持つ日々を送っていた彼女の前に、ある日汐莉(しおり)と名乗る海色の瞳をした少女が現れる。そして、自身が「人喰い人魚」であることを明かした汐莉は、いつか比名子を喰らい尽くすことを約束する……。
死にたがる比名子と、喰べたがる汐莉による掛け合いが続いていた本作。最新5話では、比名子がこれまで親友だと思っていた美胡が汐莉と同じく妖怪であることが判明した。今後は比名子、汐莉、美胡の3人の日常がどのように変わるかが描かれるかもしれない。
海外レビューサイトのコメントや、SNSでの反応を見ると「世界にはもっと百合アニメが必要だ!」「まさにパーフェクト!」「3人の関係性が儚い、だけどビューティフル」と、日本発ガールズラブの心理描写や演出に魅力を感じる視聴者が多く、尊い百合の世界に魅了されるのは海外も同じのようだ。
また、昨シーズンに海外でも大きく話題となった『光が死んだ夏』とも共通する、「ジャパニーズホラー感」も本作の人気の一因とみられ、本作の独特の雰囲気に「心臓がドキドキした!」「暗くて悪魔的」「ホラーとロマンスが絡んだ作品だ」という声も。ゆっくりと燃え上がるラブストーリーと暗くメランコリックな展開、少女たちがお互いに惹かれ合う中で漂う不気味な緊張感に魅せられたレビューが多数投稿されている。
一人の少女と2体の妖怪によるストーリーは、今後どのような変化を見せるのだろうか。3人の行く末を見守りたいところだ。


