■最難関の連戦バトルにとんでもない落とし穴が…!?
『ファイナルファンタジー』シリーズは比較的詰みポイントが少ない部類ではあるが、その中でも珍しいのがPlayStation用ソフト『ファイナルファンタジータクティクス』(1997年発売)だ。
同作はたとえ全滅しても基本的にやり直しが効くのだが、「リオファネス城」だけは連戦する中で後戻りできなくなる詰みポイントが存在した。
それも、強敵のウィーグラフ戦が絡んでくるからやっかいだ。リオファネス城でのウィーグラフ戦は、最初、主人公であるラムザと1対1で行われる。そのためレベルもさることながら、ジョブの相性が大事になってくる。
忍者などの取り回しのいい高攻撃力の攻撃手段があるなら苦労することはないが、もろい魔法系ジョブや、長いチャージが必要なジョブの場合は、レベルが高かったとしても不利は避けられない。
さらに、この場面は連戦を強いられる上にHPやMPは引き継ぐ形式なので、ある程度、余裕をもってウィーグラフ戦を突破しなければならない。
だからこそウィーグラフ戦は同作において屈指の難易度を誇るわけだが、さっぱり勝てずに育て直そうにも、直前でセーブしてしまうとウィーグラフ戦の直前に戻るだけ。
レベル上げやアイテム購入を行いたい場合は、リオファネス城に来る前にセーブしたデータを残しておかないと詰んでしまうのだ。なお、これは初代PlayStation版ならではの詰みポイントであり、のちのリメイク版では解消されている。
■詰みポイントの宝庫だったスーファミの傑作
スーパーファミコン用ソフト『ロマンシング サ・ガ2』(1993年発売)の詰みポイントとして有名なのが、ラスボス前の七英雄撃破後のセーブだ。これをするとラスボスに敗れて育成し直そうと思っても、「……逃さん……お前だけは……」と言われて戻ることができなくなってしまう。
だが『ロマサガ2』には、それ以外にもさまざまな詰みポイントが点在していることをご存知だろうか。
ラスボスを含め、強敵を倒せなくなる大きな原因のひとつが、術法(いわゆる魔法)の研究不足である。つまり『ロマサガ2』において危険な詰みポイントが、術法研究所を建築しないことである。
術法研究所の建築は『ロマサガ2』において、もっとも重要なイベント。建築が早いほど攻略はラクになり、遅れるほど戦力ダウンは避けられない。
たとえば何もしなくてもできる武器改造に資金を注いでしまったり、皇帝の術レベルを鍛えなかったりすると、いつまで経っても術法研究所の建築イベントが発生しないのだ。
とはいえ、条件を満たせばすぐに建つのが術法研究所。必要なときにお金を稼いで、一気に建築する方法もあるが、実はそこにもワナが潜んでいる。
お金を稼ぐにはまだ攻略していないダンジョンを潜るか、敵との戦闘で地道に稼ぐ必要がある。だが『ロマサガ2』はシステム上、敵との戦闘回数が増えるほど、敵のほうも強くなっていく。
術法研究所を建てるために戦闘回数がかさむと敵が強くなりすぎて不利になることもあり、それに気づいたときはすでに手遅れ……なんてことも起こり得る。
それに術法研究所を建てたとしても、術の開発、登録にはゲーム中の暦が進行する通称“年代ジャンプ”が必要となる。すなわち最終皇帝、もしくはそれに近い物語後半に、術が必要なことに気づいても手遅れなのだ。
計画的な帝国の開発が面白いのが『ロマサガ2』の魅力ではあるが、術法研究所の存在がゲームの詰みにつながることを多くのプレイヤーが実感したはずだ。
昔のゲームに詰みポイントが存在するのは、スクウェアのタイトルに限った話ではないが、人気作だけにやりこんだプレイヤーも多かった。だからこそ、いまだに語り草になっているのだろう。ゲームで「詰み」を経験した当時はショックだったが、今となってはこういった悲劇の記憶すらも懐かしく思える。


