懐かしきスクウェアRPGで刻まれた「クリア不可能」という苦い記憶 『サガフロ』に『FFT』、『ロマサガ2』でも…まさかの「詰み」!? の画像
スーパーファミコン用ソフト『ロマンシング サ・ガ2』(編集部撮影)

 2025年10月30日、スクウェア・エニックスからHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』が発売され、大きな話題を呼んでいる。

 2003年にスクウェアとエニックスが合併してスクウェア・エニックスとなったわけだが、もともとスクウェアのゲームの特徴としては、先鋭的なゲームシステムを採用したり、やや大人向けの難易度に調整されていたりする傾向があった。

 どちらかといえば、老若男女が楽しめる調整が施されていたエニックスの『ドラクエ』に対し、かつてのスクウェアのゲームには「どうやってもその状況から逃れられない」“詰みポイント”が存在するものもある。

 選択をミスして、それ以上ゲームが進められなくなって絶望した、懐かしきスクウェアRPGのシビアだった詰みポイントを振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■「初心者もハマった」高難度シナリオに隠されたワナ

 PlayStation用ソフト『サガ・フロンティア』(1997年発売)で引っかかりやすかったのが、「クーン編」シナリオの詰みポイントだ。

 同作では、最初に選択した主人公のシナリオが始まる。ここで「クーン」を選択した人はクーン編から始まる。最初から選択できるだけに、どれを選んでも難易度はそれほど変わらないだろうと油断していると、とんでもない目に遭う。

 そもそもクーンは育成難易度が高い「モンスター」という種族。LPを削ってくるマグマスライムが大量発生する初見殺しのポイントがあったり、クリア条件があまりにも難解な試練イベントがあったりと、実は全主人公の中でももっともシナリオ難度が高いのがクーン編なのである。

 それらの高難度のワナをかいくぐり、最後に待っているのがラスボス戦。どこでもセーブできてしまう『サガフロ』の性質上、ラスボス戦の直前でセーブしたくなるが、それこそが本シナリオの最大の落とし穴だ。実はここでセーブしてしまうと、二度と引き返せなくなる。

 当時はメモリーカードの容量が少なかったので、セーブデータを最低限の1つだけでプレイする人もいたが、そういった人が引っかかった詰みポイントである。

 そして、何より許しがたいのがメイレンの離反である。クーン編で活躍する仲間のメイレンは優秀な術使いだ。育成の難しいクーンに比べ、オーソドックスな人間キャラなので主戦力として頼りにしていた人も珍しくないだろう。

 そんなメイレンが最終局面で裏切るという恐ろしい展開が待っているのだ。ここまで育てた苦労も水の泡。理不尽なエピソードが多い『サガ』シリーズにおいて、屈指の絶望ポイントでもある。

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