■ヒロキングダムの中で抜きん出たモテ女性

 さて、そんなヒロの隣を、リビングでのほぼ全シーンで陣取っている女性メンバーがいました。

 それが27歳のモデル・ミクです。

 どんなときもヒロの隣にいるミクは、元恋人のイッセイから熱烈な復縁の矢印を向けられています。別れてから1年経つのに、おそらく当初と変わらぬ気持ちで「ミクさん超カワイイ」と愛でるイッセイに対し、復縁か否かについて「半々」と伝えることでイッセイを奮起させます。

 ですが、ミクが気になっているのは、清潔感あふれる綺麗な青年・ゆうやです。ゆうやには、1日の終わりにアピールするための匿名メールを連続で送った上で、「私メール送ってるんだよ」「意識させようと思って」「明日デートに行きませんか? もっと仲良くなろうと思って」と率直かつかわいらしく伝えます。

 ただし、この段階では男性として好意を持っているか否かは巧みに濁すのがミクのすごいところ。「マジでツボ」「言動全部おもしろくて」という表現でお茶を濁しますが、そんなことゆうやは聞いちゃいない。眼の前で天真爛漫に笑うミクに、首ったけになってしまったのです。

 しかもやはり、ゆうやとのデート日の夜もヒロの隣に座る。そんな小技が功を奏していたのか、ヒロは匿名メールで「気になっています。今度デートに行けたらうれしいです」と送っていました。

 それが前述の、「朝、みんなで談笑しているときに急にデートに誘う」に繋がるのです。デート時、ヒロは「気持ちはミクに向いている」とストレートにアピールし、はっきりと狩猟モードに。以降、2人は公然とカップルオーラを漂わせるようになり、ヒロに恋をする女性たちは萎え萎え。

 特にかわいそうなのはひなこです。ひなこは当初ゆうやに好意を抱き、その後ヒロに恋心を抱いていますが、どちらもあとからミクが美味しくいただいています。おそろしすぎる。ひなこがうまくいかないやるせなさで元恋人に弱音を吐くシーンは、シーズン3で最も涙を誘うシーンではないでしょうか。

 さて、“その気”にさせる天才同士の恋愛ですが、そうすんなりとはいきません。

 ヒロはあるとき、元恋人・みゆうから話をしようと言われていたのにミクとデートに行ってしまいました。その日の夜、失望したみゆうに気づき2人きりになると、「この行動は全部意味がある」「(復縁の確率が1%だと知って、それでも誘うとしたら)重荷になるのだろうな」「がんばって新しい恋に向いた結果」「気持ちが持っていかれる(から、みゆうをデートに誘わなかった)」と、つつーと涙を流しながら切々と語りかけるのです。

 さんざんっぱら複数人の女性とデートを重ね、“ヒロキングダム”とまで呼ばれるほどのモテ構図を作り上げておきながら、実はそれが「みゆうのため」とでも言うように涙を流したのです。

 これがみゆうに響きまくり。さらに口先だけではなく、実際に番組開始時にヒロがみゆうとの復縁を望んでいた証拠までも流され、視聴者にも響いてしまうのでした。

 さて、10月30日配信の残り2話では、元恋人同士の強制デートが待ち受けています。ヒロはミクとみゆう、どちらを選ぶのか、みゆうはヒロを選び半年後くらいに「やっぱり彼はこういう男だったそうだったそうだった」とかつての浮気の記憶を反復するのか。目が離せません!

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