■三角関係、四角関係が描かれた『ママレード・ボーイ』

 最後は、1992年から『りぼん』(集英社)にて連載され1994年からはアニメも放送された吉住渉氏の『ママレード・ボーイ』。

 1話から小石川光希と松浦遊の両親が、パートナーを交換して再婚するというとんでもない設定から始まる。これにより、光希と遊は面識がないにも関わらず、急に義理の兄妹になり同居を始める。

 他の漫画では類を見ない設定だからか、光希もまた周囲のイケメンたちに次々にモテ、たくさんの三角関係、四角関係が描かれる。特に、光希が中学時代に好きだったが、行き違いからうまくいかなかった同級生の銀太から長い間好意を向けられていたのが印象的だ。

 また途中からは、遊という恋人がいながらも光希に想いを寄せる人が。バイト先の仲間である土屋蛍をはじめ、アニメオリジナルキャラで、光希たちの家にホームステイに来たアメリカ出身の留学生・マイケルも光希に恋していた。

 当時から少し大人向けだった印象の『ママレード・ボーイ』。この作品では光希だけでなく遊もモテにモテ、最終的には色々なところでカップルが誕生するという、高校生らしい(?)漫画だった。

 モテヒロインたちに共通するのは、どんなにイケメンが近寄ってこようと、初めに気になった人を愛し続ける一途さだろう。少女ゆえの純粋さは、我々に本当の純愛を教えてくれている、のかもしれない。

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