■“ネタ枠”では収まらない、本格飯テロアニメ!『野原ひろし 昼メシの流儀』

 最後は、インターネットでも話題沸騰中の異色グルメアニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』。国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』の公式スピンオフ作品で、35歳のサラリーマン・野原ひろしが、仕事の合間の「昼メシ」に人生の喜びを見いだす物語です。

 第1話から、まるで実写(?)のような料理描写や、注文する前のひろしの葛藤、そしてツッコミどころ満載なオープニング映像なども話題となり、ニコニコ動画では初回から100万回再生を突破するなど、SNSを中心に大きな話題になっています。

 特に筆者が印象的だったのが、10月17日に放送された第3話「から揚げの流儀」の回。から揚げ定食をRPG感覚で攻略していくというアニオリ演出も話題になりましたが、サックサクでボリューミーなから揚げを頬張るひろしの食いっぷりが、胃袋を確実に刺激してきます。

 濃い味のから揚げを食べた後は、ホッカホカの白飯を一気にかきこむ! そして、油で重くなったら千切りキャベツで口内をサッパリさせ、仕上げにみそ汁を一口……。日本人のDNAに刻まれた「から揚げ定食」の流儀とも言える美しすぎる流れに、SNSでは「唐揚げ食べたくなった!」と共感の声が上がります。

 その後、醤油、七味、塩、マヨネーズなどさまざまな味変でから揚げを平らげていき、店主の計らいでご飯もおかわりしたひろし。決して残さず、最後まで美味しく昼メシに向き合う姿勢が、本作の魅力でもあります。

 ひろしの顔芸、個性豊かなキャラクターなど、“面白枠”な印象が強い本作ですが、見終わった後には「今日のご飯はもっと大切に味わおうかな」と感じさせるような余韻の残る作品。「誰もが知っている、とーちゃんの家族も知らない“1時間”」というキャッチコピー通り、働く大人のささやかな幸せの時間にスポットを当ててくれる粋な作品です。

 

 ジャンルは違えど、どの作品にも共通するのは「美味しいものって幸せ!」という普遍的な魅力。画面越しにも伝わる香りや音、キャラクターたちの幸せそうな表情を見ていると、思わずこちらも笑顔になり、そしてお腹が空くこと間違いなし! お気に入りの“飯テロ”シーンについて語り合えば、いつも以上に温かく幸せな気持ちで食卓を囲めるかもしれません。

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