■格闘ゲームで爽快感を演出するための手法「ヒットストップ」
実際に『マイティファイナルファイト』を遊んで感心したのは、爽快感のすごさです。自分でも『熱血格闘伝説』を開発したこともあって、どうやったら爽快感を演出できるんだろうと、当時わからないなりに研究していたんです。
そんなある日、プログラマーさんから教えてもらったのが、技が当たったときにキャラの動きを一瞬止めるという手法。こうすることで、技を当てた手応えが伝わり、爽快感につながるということでした。いわゆる「ヒットストップ」です。
たとえば、パンチを当てたときに相手がガタガタッと震えたり、空中で迎撃したときに一瞬止まってから落下していったり……そういうちっちゃな工夫がいっぱい詰め込まれているってことを、そのとき初めて知りました。『熱血格闘伝説』では、私の知らないところでプログラマーさんがいろいろがんばってくれてたんだなって、あとになって気づくことも多かったですね。
こうした演出は格闘ゲームでよく見られますが、いつ頃から採り入れられていたんでしょうか。『ファイナルファイト』では、もう採用されていましたよね。どの時代のどのゲームからはじまったのかはわかりませんが、考えた人はすごいなって思います。
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。


