■墨の拭き残しが事件解決の鍵に!
今泉は「若旦那の犯罪」でも、古畑に意図せずヒントを与えている。このエピソードは落語がテーマで、市川染五郎(現:松本幸四郎)さん演じる人気落語家・気楽家雅楽が兄弟子を殺害するというものだ。
殺害の際、雅楽の扇子に兄弟子の指紋が付いてしまい、それが証拠として残る。しかし古畑はその証拠を探し出せず、終盤まで悩んでいた。犯人の見当はついているのに証拠がない……。そんな中、今泉が大喜利でくだらないネタを話してきたので、古畑はバツとして彼の顔を墨で真っ黒にした。
その後、雅楽の高座を見ていた古畑は、彼がラーメンをすする場面で、扇子を開いたままにしているのに気付く。本来、扇子を箸に見立てるために閉じていなければならないのに、なぜそんなことを……。そう疑問に感じた古畑は、その後、今泉の眉間に拭き残した墨がついているのを見てひらめく。
雅楽は、扇子を閉じて付着した指紋が見えてしまうことを恐れ、開いたままでラーメンを食べる仕草をしていたのだ。
こうして決定的な証拠が発見され、雅楽は逮捕される。今泉のおかげで真相にたどり着いた古畑は、「お手柄だよ〜」と素直に彼を褒めていた。
■事故を殺人と見抜いた?
最後は「笑わない女」での今泉の活躍を紹介したい。この回の犯人は、沢口靖子さん演じる女性教師の宇佐美ヨリエだ。
宇佐美は同じ学校の男性教師を鉄パイプで撲殺し、それを「高い場所の本を取ろうとして踏み台から足を踏み外した」という転落事故に偽装する。
現場検証に来た古畑は、落ちていた本を見ておかしいと思う。被害者は本を取るために踏み台に登ったはずなのに、その本は低い場所から抜き取られたものだったからだ。だが、それだけではまだ殺人と断定するには至らない。
そんな中、古畑は血痕が廊下にまで飛び散っていた点が気になって、今泉に「どう思う?」と質問する。すると今泉は、ドアが閉まっていたという証言を思い出し、もともと開いていたのを誰かが閉めた可能性に思い至ると、これは殺人事件ではないかと古畑に進言していた。まさか、今泉がこれほど早く事件の真相に勘付くとは……。
これをきっかけに、古畑は殺人事件として本腰を入れて捜査を開始。今泉自身も、何気なく口にしたことが正しかったとは思わなかったに違いない。
今回紹介しただけでなく、今泉が古畑を助けた回は他にもあり、彼が古畑にとって欠かせない存在なのは間違いない。表面上は冷たく接する古畑だが、その根底には今泉への大きな信頼があるのだ。
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