ドラマ『古畑任三郎』“頼りないワトソン”今泉慎太郎が事件解決のカギとなった「ファインプレー回」の画像
DVD『古畑任三郎 3rd season 1』  (C) フジテレビ/共同テレビ

 日本で人気の推理ドラマとして絶対に外せない作品の1つが、三谷幸喜さんが脚本を手がけた『古畑任三郎』シリーズである。

 この作品は、犯人の犯行が描かれるところから始まるドラマだ。視聴者は犯人の目線から、田村正和さん演じる古畑任三郎をいかに欺くかというスリリングな駆け引きを楽しむことができる。

 作中、古畑の部下としていつもそばにいるのが、今泉慎太郎である。古畑と事件捜査に当たるものの、けっして切れ者タイプではなく、むしろどこか頼りない。それゆえ、古畑に冷たくあしらわれることも多いが、2人は妙に息がぴったりで、その関係は腐れ縁といっても過言ではない。そして、古畑が推理に行き詰まった時、今泉のファインプレーが事件解決の糸口となる場面もある。彼はただの“おバカキャラ”ではないのだ。

 今回は、そんな今泉が事件解決のカギになったエピソードを振り返っていきたい。

※本記事には作品の内容を含みます 

■ピーマンの肉詰めが凶器のヒントに

 まずは、加藤治子さんが犯人として登場した「偽善の報酬」の回だ。この事件は、加藤さん演じる佐々木高代が、妹の和子を殺害するというものだった。

 高代は犯行後、強盗の仕業に見せかけるため、勝手口にわざと財布を落としたり、怪しい人間がうろついているなど嘘の証言をしたりと、偽装工作を行う。

 しかし古畑は、和子が殺害される直前に削っていた鰹節が高代の部屋に落ちていたことや、背後から殴られたはずの被害者が悲鳴を上げたという高代の証言の矛盾から、彼女に疑いの目を向ける。

 だが、肝心の凶器が見つからない……。いったい高代はどのように和子を殺害したのか? 古畑が悩んでいると、今泉が夕食にピーマンの肉詰めを作ろうとし始める。それをきっかけに閃いた古畑は、高代が空き瓶に貯金していた6万7千円分の小銭をストッキングに詰め、それを凶器にしたことを見抜いた。

 「肉詰め」という日常的な料理から、「小銭を詰めたストッキング」という発想に繋がる展開が、鮮やかで面白い。

 続いて紹介するのは「黒岩博士の恐怖」だ。犯人である監察医・黒岩健吾はかなりの強敵で、演じる緒形拳さんの存在感も相まって、一筋縄ではいかない雰囲気を醸し出していた。

 この事件解決の鍵となったのは、古畑がたまたま遺体の手に置いたゆで卵に付着した指紋である。そのゆで卵はどこから? というと、今泉が祖母からもらったものを古畑に渡したのだった。

 今泉の何気ない行動が、黒岩の証言を覆す決め手を生み出したのである。もし、今泉がゆで卵を渡さなかったら、この重要な証拠は手に入れられなかっただろう。

 そんな今泉のファインプレーに対し、古畑は部下の西園寺守に「彼(今泉)を手放さない理由分かるだろう?」と話している。この言葉からも、古畑が今泉の不思議な力を認めているのは間違いない。

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