
古今東西のロボットアニメが集うシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ(バンダイナムコエンターテインメント)。複数の作品のメカや登場キャラたちが絡み合うストーリー展開や戦闘シーンが好評を博している。
今年2025年8月には、4年ぶりの完全新作となる『スーパーロボット大戦Y』が発売されたばかりだ。
とはいえ、原作に登場するメカばかりでなく、『スパロボ』が初出の機体も人気を集めている。サイバスターやSRXといった完全オリジナルの機体はもちろん、マジンカイザーや真ゲッター3のように、版権作品準拠のオリジナルメカが『スパロボ』から生まれるケースもあった。
そんな中でも珍しいのは、『スパロボ』から生まれた『ガンダム』シリーズのオリジナル機体たちだ。今回はファンに衝撃を与えた『スパロボ』生まれのガンダム機体たちを振り返ってみよう。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■立体物まで商品化された「夢のコラボ機体」
熱心な『スパロボ』ファンなら、同作生まれのガンダム機体として真っ先に思い浮かぶのが「ウイングガンダムゼロリベリオン」ではないだろうか。
ベースとなる作品は『新機動戦記ガンダムW Endless Walts』で、『コードギアス 反逆のルルーシュ』とのコラボ機体である。アプリゲーム『スーパーロボット大戦DD』にて期間限定で展開されたストーリーで、「ウイングガンダムゼロがもう1体開発されていた」というオリジナル設定になっている。
ブリタニアが開発したウイングガンダムゼロ2号機を“ゼロ”ことルルーシュ・ランペルージが強奪、ウイングガンダムゼロリベリオンと名を変えて搭乗する。ルルーシュがゼロシステムを使いこなせたらどうなるのか、というIFストーリーは興味深かった。
さらに『コードギアス』でのルルーシュの愛機「ガウェイン」をイメージした黒を基調とするカラーリングのウイングガンダムゼロリベリオンの立体物が、プレミアムバンダイにて商品化されることが決定。カトキハジメ氏の監修による新規武装まで付属するという。
ここまでくれば、『スパロボ』のコラボから生まれた公式のガンダム機体といって差し支えないだろう。
■「こんなのいたっけ?」ガンダムファンも首をかしげる謎の機体
ウイングガンダムゼロリベリオンのように、『スパロボ』の枠を飛び越えて公式で商品化された機体もあれば、『スパロボ』以外で見たことがない謎のガンダム機体も存在する。
そのひとつが「量産型ヤクト・ドーガ」だ。ヤクト・ドーガといえば『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するニュータイプ専用機で、ギュネイ・ガスとクェス・パラヤが乗った機体である。
映画に登場したのはギュネイ専用の青いヤクト・ドーガと、クェス専用の赤いヤクト・ドーガのみだったが、『スパロボ』シリーズには緑色の量産型ヤクト・ドーガが登場するのだ。
そもそも原作ではヤクト・ドーガが量産されたという設定はなく、MSV系や小説などにも緑色のヤクト・ドーガは存在しない。
この緑カラーの量産型ヤクト・ドーガが初登場したのは、スーパーファミコン版『第3次スーパーロボット大戦』(バンプレスト)から。『第2次』では青色のヤクト・ドーガが量産されていたが、『第3次』からギュネイとクェスが乗るヤクト・ドーガ以外の量産型は緑色に統一されている。
なお『スパロボα』シリーズ以降は、より原作作品を重視するようになったためか、緑色の量産型ヤクト・ドーガはひっそりと姿を消した。