■カップルを引き裂く嫌われキャラ『星の金貨』細川直美
「全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞し、NHK連続テレビ小説の主演女優も務めた細川直美さん。その潤んだ大きな瞳が印象的で、1990年代を代表する清純派女優として、お茶の間で絶大な人気を集めた。
そんな細川さんが“嫌な女”として強烈なインパクトを残したのが、1995年に放送された『星の金貨』(日本テレビ系)だ。
酒井法子さん演じる主人公・倉本彩は、生まれつき耳が聞こえない。そんな彼女を愛する医師・永井秀一を大沢たかおさん、そして、同じく彩を愛する秀一の腹違いの弟を竹野内豊さんが演じた。
この切ないラブストーリーの中で、細川さん演じる結城祥子は強烈なインパクトを残した。彼女は秀一の婚約者であり、大病院の令嬢という恵まれた立場にある。
しかし、秀一の心が彩にあると知ると、彼の愛を自分に向けるため、自殺未遂や妊娠を偽装するといった手段を使い、彩と秀一の仲を引き裂こうとする。あらゆる方法で2人の仲を引き裂こうとする祥子は、非常に嫉妬深く、執着心の強い女性そのものであった。
彩と秀一が結ばれることを祈る視聴者にとって、祥子の存在は大きなストレスとなった。登場当初は美人で性格も良く、可愛らしい令嬢としての印象が強かった祥子。だが、そんな彼女が回を追うごとに視聴者をやきもきさせる存在になったのは、細川さんの卓越した表現力があったからだろう。
ドラマを盛り立てるには、悪女の登場が欠かせない。特に、普段は清楚で優しいイメージを持つ女優がその役を演じると、そのギャップは視聴者に予測不能な衝撃と強烈な印象を与えるのだ。
今回紹介した女優たちのように、それまでの自身のイメージを武器に変え、見事に悪役を演じきった例は少なくない。今後も日本のドラマ界において、魅力的な悪女が誕生することだろう。私たちをどのように驚かしてくれるのか、今から楽しみである。


