
海賊たちの熱い冒険と戦いを描く、尾田栄一郎氏の人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』。
本作に登場する「悪魔の実」の能力は、多彩というひと言では収まらないほどさまざまな種類がある。主人公のモンキー・D・ルフィの「ゴムゴムの実」に代表されるように、悪魔の実の能力はどれも意外性に満ちており、「ゴムゴムやメラメラみたいな、強くてカッコいい能力が欲しい!」と憧れた子どもも多いはずだ。
では、大人になってからはどうだろう。物理的な戦闘が許されない現代社会を生きる我々には、むしろ日常生活で役立つ悪魔の実のほうが魅力的に思えないだろうか? それこそ作中では“戦いに向かない”とされがちな悪魔の実こそ、平和な日本では価値を持つのかもしれない。
今回は、私たち現代人の日常生活を豊かにしてくれそうな「悪魔の実」の能力を探ってみよう。
※本記事には作品の内容を含みます
■ローに「何の役に立つんだよ」と言われたけど…ナギナギの実
まずは、自由に音を消すことができる「ナギナギの実」だ。
バズーカの爆発音から人間の声まであらゆる音を消し去るこの能力に対し、トラファルガー・ローは「何の役に立つんだよ そんな能力っ!!」とバッサリ。
能力者であったコラソンことドンキホーテ・ロシナンテは隠密行動に利用して海賊から「オペオペの実」を強奪することに成功したが、真正面からの戦闘においてはローの言う通り、あまり役に立たない能力かもしれない。
一方、私たち現代人にとっては非常に有用な能力に思える。まず、コラソンが「“安眠”においておれの右に出る者は…」と自負するように、グッスリと眠るにはもってこいだ。仕事や学校の昼休みにちょっと仮眠したい時、ナギナギの実の能力で騒音をシャットアウトできるのはうれしい。静かな環境で作業に集中したい時にも使えそうだ。
かなり子どもっぽい発想かもしれないが、親や先生の説教を無音化する効果にも期待できる。いや、消音したらすぐにバレそうなので、もっと怒られるだけかもしれないが。
■満員電車とさようなら! ワプワプの実
次は、“黒ひげ海賊団”の三番船船長のヴァン・オーガーが食べた「ワプワプの実」だ。その名の通り、自分や他人を好きな場所へワープさせる能力で、作中ではジーザス・バージェスを瞬間移動させ、奇襲を仕掛ける際に活用していた。
使い道がいくらでもありそうな「ワプワプの実」だが、まずは自分の移動手段として使いたいところだ。
一瞬で好きな場所へ移動できるのだから時間ギリギリまで家でのんびりできるし、道路の渋滞や電車の遅延も一切関係ない。サラリーマンならば、毎朝の憂鬱の種である満員電車に乗る必要がなくなるのだ。
悪魔の実は、最低1億ベリーで取引されているという。ベリーと円はほぼ同等の価値であるとされているため、「ワプワプの実」は一生もののローンを組んでも手に入れる価値がありそうだ。
商売に自信があるなら、宅配業を始めるのもいいだろう。瞬時に荷物をお届けできるのだから、既存の大手運送会社も真っ青だ。とはいえ、このワプワプの実でワープできる物量や移動距離、使用条件は作中で明確にされていない。あまり手広くやりすぎるとワープ不能に陥り、未配達のクレームが殺到するリスクもあるかもしれない。