
吾峠呼世晴氏原作による『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が世界興行収入901億円を突破。日本を含む全世界における、日本映画歴代興行収入1位を達成した。
本編での登場シーンは少ないものの、冒頭のシーンで強烈なインパクトを残したのが恋柱の甘露寺蜜璃だ。蛇柱の伊黒小芭内とともに無限城に落ちながら、鬼の攻撃から伊黒に助けられてキュンキュンと胸をときめかせ、自身の柔らかな日輪刀もしれっとハート型になっていた。
MX4D・4DX上映では、甘露寺の「キャー!」というときめきの歓声に合わせて座席が揺れ、つい笑ってしまったほどだ。
彼女の活躍は主に「刀鍛冶の里編」で見られるが、過酷な世界観の『鬼滅の刃』の中でも、他の柱とは違って天真爛漫でポジティブな印象の彼女の存在に救われたファンは多いだろう。
今回は、男性だけでなく女性もトリコにする甘露寺蜜璃の魅力に迫りたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■独特の空気感を持つ恋柱・甘露寺
恋柱である甘露寺は、柱がずらっと並んだ中でも目立つ、華やかな外見をしている。戦う際はしなやかな体を活かし、新体操のような動きでの攻撃を繰り出す。日輪刀も新体操のリボンのようで、一見すると刀とは思えない。
恋の呼吸は元々炎の呼吸の派生であり、技名も恋にちなんだものが多い。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』によると、その「斬られ心地」は「ときめいちゃった」「ドキドキしちゃう」「甘酸っぱい」そうだ。このことからも、他の柱の攻撃方法とは一線を画しているとわかる。
思えば甘露寺は初登場から異質な存在だった。 柱合会議では、皆が竈門炭治郎の処遇について話し合う中、ひとりそれぞれの柱にキュンキュンと胸をときめかせていた。その対象は胡蝶しのぶとて例外ではない。
また、外見も大正時代を舞台にした『鬼滅の刃』の世界ではなかなかに変わっている。彼女は女性らしい体つきで、隊服も他の隊士に比べてかなり露出度が高い。見た目のかわいらしさからも男性人気が高いのは頷けるが、驚くべきは女性からの支持も厚いところだ。
その理由の1つとして、ギャグ顔の多さと緊張感を感じさせない存在感が挙げられるだろう。「刀鍛冶の里編」の上弦の肆・半天狗戦では、「今の攻撃を喰らって尚 肉の形を保っているとは!!」と憎珀天に言わせるほどの攻撃をその身に受けた。
このセリフから甘露寺は相当悲惨な状態かと思いきや、当の本人は髪はボサボサ、白目を剥いて口をポカーンと開け、ともすればギャグ顔にも見える姿で気絶していた。この姿を見ているとそんなにおおごとではないようにも見える。
その後も「やったか?」と言わせるほどの攻撃を泣きながら全て斬っていたが、「仲間は絶対死なせないから」と手をブンブンと振り回す姿もギャグ顔だったので、いまいち彼女の凄さが伝わりづらかった。
こうした緊張感を感じさせない存在感は、どんなに過酷な戦いでも「甘露寺なら絶対大丈夫だ」という安心感さえ生む。