「何度戦っても“ダンビラムーチョ心”が出ない!」プレイヤーを悶絶させた『ドラゴンクエスト7』モンスター職の思い出の画像
『ドラゴンクエストVII Reimagined』(スクウェア・エニックス)メインビジュアル (C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO

 2025年9月12日に配信された任天堂の新作情報番組「Nintendo Direct 2025.9.12」で、『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』が発表され、大きな話題を呼んだ。 

 番組内では「再構築」というキーワードが繰り返し用いられ、ストーリー、グラフィック、システムのすべてが大胆に作り直されることが明かされた。

 その中で特に注目を集めたのが「モンスター職の廃止」である。『ドラクエ7』を象徴する独自システムであり、当時のプレイヤーを喜ばせると同時に苦しめもした、賛否入り混じる要素だった。

 モンスター職とは、一部モンスターが落とす「モンスターの心」を入手することで転職可能になるシステム。モンスター固有の特技や呪文を覚えられ、さらには耐性まで引き継げるという破格の性能を誇った。戦闘の幅を大きく広げる要素であり、「人間職では味わえない遊び」を可能にしたと評価する声も多い。

 しかし、最大のネックは「心」の入手方法にあった。基本はモンスターからのドロップ、もしくは、道中の宝箱、あるいはカジノの「ラッキーパネル」での入手に限られていた。やり込み要素というよりも「根気の試練」と呼ぶべきもので、多くのプレイヤーを悩ませることになった。

■最大の壁「ダンビラムーチョ心」

 数あるモンスターの中でも、特に多くのプレイヤーを苦しめたのが「ダンビラムーチョ心」である。

 ダンビラムーチョは『ドラクエ7』初登場のモンスターで、「ダンビラ」の名の通り、大ぶりの刀を振り回す、ふくよかな体型をした愛嬌のある敵だ。見た目こそユーモラスだが、その心を入手してモンスター職に転職することで、「しんくう斬り」「しっぷう突き」といった斬撃系特技を覚えられる。

 しかし、問題はその入手難度にある。「ダンビラムーチョ心」はドロップ率わずか1/128。出現場所も「アボンのトンネル」「世界一高い塔」など限られており、遭遇するだけでも手間がかかる。さらに、この心は上級職「ギガミュータント」への転職にも必須だったため、単なるコレクションではなく、強力な職業ルートに進むための通過点として多くのプレイヤーが狙わざるを得なかった。

 結果として「出にくい敵を探し、さらに低確率ドロップを狙う」という二重苦が待っていた。トンネルにこもり、延々と戦闘を繰り返す。やっとアイテムを落としたと思えば「どうのつるぎ」。そんな地獄のような周回が日常となり、プレイヤーの心を削った。

 他のモンスターの心はラッキーパネルや宝箱などで代替入手が可能な場合もあったが、ダンビラムーチョだけはドロップ以外の入手手段が存在しなかった。そのため「全然出ない!」という嘆きは当時のプレイヤーの共通体験となっていたことだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3