■ダンビラムーチョだけじゃない、転職困難なモンスター職
このように、苦行を強いられたのはダンビラムーチョだけではない。入手困難な心はいくつも存在した。「おどる宝石の心」もその一つだ。
『ドラクエ5』で仲間モンスターとして人気を博した「おどる宝石」は、『ドラクエ7』でもモンスター職として登場した。初級職でありながら、素早さや守備力の上昇値が優秀で、呪文・状態異常耐性も高水準。序盤から終盤まで安定した性能を発揮する隠れた良職だった。
だが心の入手はやはりモンスタードロップ限定となっている。出現場所は「ホビット族の洞窟」「大灯台」など限られ、運に左右される周回が必要となった。特に「死神きぞく」や「ダークビショップ」といった中級・上級職に転職する際には必須のため、回避できない壁として立ちはだかった。
ただし、おどる宝石は高額ゴールドを落とすため、ダンビラムーチョとは違い、お金稼ぎ周回を兼ねられる点が唯一の救いだった。
また、「プラチナキング」というモンスター職も最難関として名を残した。転職ルートは膨大で、初級6職→中級5職→上級2職を経て、ようやく到達できるという長大すぎる工程が必要だった。
完成すれば「ベホマズン」「ビッグバン」といった強力な呪文を習得し、耐性もほぼ完璧。メタル系らしく守備力は全職業トップであり、モンスター職の究極形と呼ぶにふさわしい存在だった。とはいえ、メタル系特有のHPの低さだけは引き継がれるため、固定ダメージなどに弱く、万能というわけではない。
転職ではなく、「プラチナキングの心」もアイテムとして入手可能で、実質的には「ちいさなメダル」110枚の景品が近道だった。ほとんどのプレイヤーがメダル収集によって入手し、「プラチナキングの心」で転職したはずだ。
『ドラクエ7』のモンスター職は、魅力あふれるシステムであると同時に、多くのプレイヤーに「苦行」を強いた問題児的な要素でもあった。心を求めて何百回と戦闘を繰り返す日々。ようやく入手できたときの達成感は大きいが、その過程は間違いなく試練だった。
特に「ダンビラムーチョの心が全然出ない!」という体験は、当時のプレイヤーの間で語り草となった「あるある」だろう。
今回のリメイク版ではモンスター職が廃止されると発表されており、システム的には整理され、テンポよく進める作品になることが予想される。しかし、あの果てしない試行錯誤やドロップ待ちの苦行があったからこそ、手に入れた瞬間の喜びや達成感が心に深く刻まれたのも事実である。
モンスター職はもう戻ってこないかもしれないが、あの「全然出ない!」と嘆きながら遊んだ記憶は、プレイヤーの心に確かに残り続けている。


