■ワンショット・キラー

 一年戦争を戦った地球連邦軍・ジオン公国軍の両軍を通して最多となる193機のモビルスーツ撃墜数を誇るジオンのエースパイロットがブレニフ・オグスだ。彼は「ワンショット・キラー」の異名で知られる。

 彼は正確無比な射撃が特徴で、ムダ弾を撃つことを極端に嫌っていたことからこの異名で呼ばれるようになる。また最終的な愛機はゲルググ・キャノンだったようだ。

 一年戦争における両軍トップの撃墜数を誇った「ワンショット・キラー」ブレニフ・オグスの名前は、アムロ・レイやシャア・アズナブル、アナベル・ガトーらと並んで、地球連邦軍の士官学校の現代戦史教科書に名前が記載されている。

■踊る黒い死神

 ここまでジオン軍のエースたちばかりを紹介してきたが、地球連邦軍にも個性的な二つ名で呼ばれたエースが存在する。それが地球連邦軍内で第3位となるモビルスーツ撃墜数68機を誇る、「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフだ。

 書籍『マスターアーカイブ機動戦士ガンダム MSV エースパイロットの軌跡』(SBクリエイティブ)の記載によれば、もともと戦闘機乗りだったリドは、当時から自身の機体を黒く塗り上げていたとのこと。

 モビルスーツのパイロットになってからも、リドは自身の機体を黒のパーソナルカラーに統一。ジオンと違い、パーソナルカラー自体が珍しい地球連邦軍においてまれな存在だった。

 そしてリドは、戦場でまるでダンスでもしているかのように黒い愛機で乱舞したことから、「踊る黒い死神」の異名で呼ばれるようになったという。

 一年戦争の最終局面となったア・バオア・クー攻防戦にて、リドは黒く塗られた当時の最新鋭機ジム・スナイパーIIで出撃。多大な戦果を挙げながら、この戦いで「踊る黒い死神」は帰還しなかった。


 今回は『機動戦士ガンダム』の舞台となった一年戦争で活躍した異名・二つ名持ちのエースパイロットたちを振り返った。もちろんこの他にも、ガンダム作品の中にはさまざまな異名が登場する。ガンダム好きの皆さんにとって「いちばん印象に残っている異名」は何だろうか。

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