■用意周到すぎて完全犯罪が実現したかもしれない犯人
最後に紹介したいのが、福山雅治さんが犯人役を演じた「完全すぎた殺人」である。こちらは遠隔操作による殺人で、立証がかなり難しい事件となる。
福山さんが演じる堀井岳は自分を裏切った恋人・片桐恵に復讐するため、彼女の新しい恋人となった等々力を殺害した。殺害方法は、プレゼントとして贈った銅像の中に爆弾を仕込み、電話で誘導して巧みに起動させるというもの。しかも、恵に疑いが向くように仕向ける徹底ぶりだ。
堀井は犯行前から、等々力と片桐の行動をうまく誘導していた。片桐が追い込まれたのは爆破直前まで等々力と一緒にいたせいだが、これも堀井の計画通り。おまけに2人が隠れて付き合っていたのを利用し、片桐が皆の前で嘘をつかざるをえない状況を作り出すことで、彼女の心証を悪くした。
そのため、片桐の証言は警察に信じてもらえず、犯人として疑われる羽目になった。しかし、古畑は堀井のあるミスを見逃さない……。それは等々力がきれいに残していたプレゼントの包み紙だ。そこから堀井の指紋が見つかり、おまけに銅像を包んでいたことが明らかになる。
この事件の決め手は、古畑が語ったように、堀井が人間の心の動きを理解できていなかったことだろう。堀井はプレゼントの包み紙を大事に取っておかれる可能性を想定できなかったから、足元をすくわれた。銅像をリビングなどではなくトイレに飾られてしまい、なぜそんな場所に爆弾を仕掛けたのか疑われたのも敗因の1つだろう。
些細なミスですべてがバレてしまったものの、遠隔操作による犯行や事前の仕込みなどはまさに「完全」。すべて彼の計画通りに進んだとしたら、本当に完全犯罪になっていたかもしれない。
古畑を追い込んだ犯人は何人かいるが、最後はどこかでほころびが出てしまい逮捕される。しかし、古畑を唸らせるだけの強敵だからこそ、悪人とはいえどこか不思議な魅力を感じてしまう……。あなたの心に残っている『古畑』最強の犯人は誰だろうか?


