■粘着液でベルトが動かない! ビルから落下して剥がす荒業を披露したスカイライダー・筑波洋
『仮面ライダー(スカイライダー)』第12話「暗闇のサンタクロース ああ〜変身不可能」では、クリスマスで浮かれる街に突如ネオショッカーが襲来し、人々を拉致していく。見た目もグロテスクな怪人「ナメクジン」はサンタクロースに扮し、腕から放つ粘液によって人間を溶かしていた。
目の前で父親が地中に連れ去られた少年・清水公夫に声をかけた主人公・筑波洋(スカイライダー)は、ネオショッカーの犯行と確信し、公夫の父親を助けるべく追跡を開始する。
洋はアリコマンド(戦闘員)を倒してその身ぐるみをはぎ、アジトへの潜入に成功。するとそこでは捕らわれた人々が過酷な労働を強いられ、ナメクジンの実験台にもされているというひどい状況だった。
人々を救おうとする洋だが、潜入が発覚し、通路を塞がれてしまう。そこで一度はスカイライダーに変身して窮地を脱するのだが、多勢に無勢と判断し、通風孔に身を隠すために一度変身を解除。そしてたどり着いたネオショッカーの手術室にて、ナメクジンと対峙することとなる。
生身のままでは劣勢のため変身ポーズを取る洋だったが、ナメクジンはすかさず変身ベルトに“対筑波洋用”の特殊な粘液「NO液」を噴射する。ベルトが動かず変身できない洋は、人々を逃がしながらも屋上へと追い詰められてしまう。
万事休すかと思われたが、するとここで洋はわざとビルから飛び降り、落下時の風圧でNO液を吹き飛ばすという荒行を決行した。そして、見事にスカイライダーへの変身を遂げるのである。
ここからは相変わらずの強さを見せるスカイライダーだったが、ナメクジンは意外にも互角の戦いを見せ、スカイライダーを追い詰める。しかし、勝利を確信し、油断した隙を突かれ、渾身のスカイキックを繰り出され、逆転勝利となった。
最後まで油断しなかったらライダーを倒せたのに……実にもったいないナメクジであった。
ここまで紹介したシーンは、どれもあと一歩でライダーがやられていたかもしれないほどの危機的状況であった。変身できない仮面ライダーたちの姿に「どうやって勝つんだろう……」と、手に汗を握った視聴者も多かったはずだ。
変身ベルトを封じるという敵の作戦は非常に有効であったが、あと一歩のところで油断したり、そこで満足して詰めが甘かったところが、敵陣営の敗因といえるだろう。