■心霊スポットを舞台にしたエピソードも

 シーズン23第5話「幽霊ホテル」は、直近の幽霊エピソードだ。この回では、ついに亀山薫も幽霊登場の洗礼を受ける。発端は右京が滞在していた山間のホテルで、従業員の遺体が発見されたことだった。そのホテルは「幽霊ホテル」として有名で、実は右京も幽霊目当てで滞在していた。

 そこには幽霊目的の宿泊客、怪しげな支配人、ホテルに詳しい常連の青年、病気療養中の少女とその両親など、一癖ありそうな人物ばかり。やがて事件は解決へと向かうのだが、その後特命係と支配人、常連の青年の4人が話すシーンで驚きの出来事が起こる。

 「秋が深くなったら、また泊まりにいらっしゃるといいですよ」と特命係に笑顔を向ける青年。右京が「近々、紅葉狩りにでも来ましょうか」と応じた後、特命係はその場を離れ、支配人は「またのお越しをお待ちしております」と深々と頭を下げる。そして支配人が顔を上げると、青年はすっかり姿を消していた。なんと、彼こそが「ホテルに出る幽霊」だったのだ。

 しかしその後、亀山と右京は「右京さん実はちょっと、がっかりしてるんじゃありません?」、「幽霊には、なかなかお目にかかれませんねぇ……」と会話しており、2人とも青年の正体にはまったく気付いていないようす。またもやせっかくの幽霊に気付けない右京なのであった。

 序盤から自然に幽霊が登場し、それが終盤で明かされるのは、どんでん返しともいえる結末だ。結末を知るともう1回最初から見返したくなってしまう、印象的なお化け回だった。

 

 こうして改めて振り返ってみると、右京は意外と幽霊に会っていることが判明して面白い。幽霊に会えないという悩みは、「会えない」わけではなく「気が付いてない」だけだった。

 はたして右京が幽霊に気が付く日は来るのか……。今後の「お化け回」にも期待したいところだ。

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