『スペランカー』よりキツイ…ファミコン世代が涙した理不尽すぎる「やられシーン」 見えない弾に意味不明な罠も…の画像
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)(C)Nintendo

 ファミコン時代のゲームは、あまりの難しさに「こんなのやってられるか」と投げ出した経験がある人も多いのではないでしょうか。

 たとえば主人公の貧弱さが印象的だった『スペランカー』(アイレム)で、ちょっとした段差や、落ちてきたコウモリのふんが当たるだけで死ぬ理不尽さを嘆いた人もいるはず。

 しかしファミコンソフトには、もっと理不尽かつ回避不能な「ヤラれシーン」が存在しました。当時のファミコンキッズたちがドン引きするほどの理不尽さに満ちたゲームを振り返ってみたいと思います。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■速すぎ、小さすぎ、見えない弾に翻弄されたロボットアクション!

 最初に紹介したいのは『トランスフォーマー コンボイの謎』(タカラ)です。あまりの難しさにクリアを諦めた人も多いタイトルではないでしょうか。

 その大きな要因に挙げられるのが、回避しにくいザコ敵の挙動と波状攻撃です。たとえばゲーム開始直後から頻繁に現れる敵のジェットロン。大きく波打つように飛んでくる動きは、シンプルに回避しにくいです。

 さらに敵機の中には移動しながら弾を発射してくるものもいますが、この弾速が速いうえにサイズが小さい。しかもその小さな弾は背景に紛れたり、画面がチラついたりして見えないこともあり、とにかく理不尽。弾の存在に気づかないままヤラれることも珍しくありません。

 極端な話『コンボイの謎』の初見プレイ時は、開始直後に秒殺されるのが当たり前のゲームなのです。その難解なステージが全10ステージもあり、攻略には理不尽な攻撃にも決して折れない強い心が求められます。

 とはいえ、裏技扱いでしたがコンティニュー機能もありますし、見えない攻撃も「そういうもの」と割りきれば攻略の余地はありそうです。当時のファミコンキッズが今クリアを目指すなら、最大の敵は視力の衰えかもしれませんね。

■理不尽な罠で死にまくる異色のアドベンチャー

 続いては、思わずツッコミたくなるような理不尽な死亡シーンが連発する『ミシシッピー殺人事件』(ジャレコ)です。

 ミシシッピー川を下る豪華客船「デルタ・プリンセス号」に乗船していた探偵チャールズ卿と助手のワトソンが、船内で発生した殺人事件の真相を追うアドベンチャーゲームです。

 事件を追う中で犯人に殺されてしまうバッドエンドは、推理モノでよくある流れだと思います。しかし本作の舞台となる船内には、誰がしかけたのか分からない意味不明な即死トラップが至るところに存在するのです。

 その理不尽な罠の代表格が、客室にしかけられた落とし穴。チャールズ卿が穴に落ちて即死すると、助手のワトソンが「こ、この床は誰かの罠だったんだ!」なんて言いますが、そもそも客船内で落とし穴の存在を疑うほうがどうかしています。それに船の下の階に落ちたくらいで即死するのは、少々納得がいきません。

 ほかにも部屋に入ったらナイフが飛んできて、それがチャールズ卿に刺さって即死するトラップもあります。明らかに誰もいない部屋なので、おそらく無人発射装置が巧妙にしかけられていたことになりますね。

 このように豪華客船の船内は、相当殺意の高い大がかりな罠だらけ。即死トラップの理不尽さ以上に「落とし穴が作れる船って何なの?」「いつこんなしかけを用意していたの?」と疑問を抱くのは野暮なのでしょうね。

  1. 1
  2. 2
  3. 3