■よくわからなかったけど面白かった、昭和名CM
「私はコレで会社をやめました」
『禁煙パイポ』 (マルマン) のCMもめちゃめちゃ流行りました。
おじさんが3人出てきて、1人目と2人目がパイポを持って、
「私はこの禁煙パイポでタバコをやめました」
「私もこのパイポでタバコをやめました」
それで3人目はちょっと深刻な顔で小指を立てて、
「私はコレで会社をやめました」
3人ともエキストラみたいな人で、有名な俳優さんとかタレントさんは誰も出てないけど、ものすごくインパクトあるCMで流行りました。
当時の僕は小学校6年生で 『禁煙パイポ』っていうものがどういうものかはわからなかったけど、小学生はみんな学校で小指立てて、 「私はコレで会社をやめました」って真似してました。
それで中学生になると、カッコつけてパイポを吸うようになるっていう。別にタバコじゃないからパイポ吸っても世間的な問題はないけど、 ただ先輩に見つかると、 「調子のってんなよ」って締められる。そういう中学生がけっこういたと思います。
『タンスにゴン (金鳥ゴン) 』 (大日本除虫菊) のCMも印象に残ってます。
町内会婦人部みたいな主婦がみんなで、
「タンスにゴン、亭主元気で留守がいい」
このフレーズを唱和するCM。当時の僕には正直 「このCMの何が面白いのか」 がわからなかった。
『亭主元気で留守がいい』
この言葉の意味もわからなかったけど、 「なんかセンスのいいCMなんだろうなぁ」 と思わせる、妙にインパクトのあるCMでした。
【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。


