■ジャッキー映画の面白さとは?

 『ジャッキー・チェン大百科』も買いました。ケイブンシャの大百科シリーズ。分厚い小さいサイズの本で、あの頃本屋に行ったら必ず置いてありました。ジャッキー以外にも『ガンダム大百科』『ウルトラマン大百科』『仮面ライダー大百科』『プロレス大百科』も持ってたし。『ガンダム大百科』だけでも何種類も出てましたからね。小学生にとっての大定番でした。

 ジャッキー映画で何が面白かったかっていうのは難しいですよね。『プロジェクトA』が出た時は衝撃的に面白かったし、『スパルタンX』『ポリス・ストーリー/香港国際警察』も面白かったな。映画ごとに名シーンがあるから。

 『プロジェクトA』だったら、時計塔から落ちるシーンもそうだけど、細い道をチャリで逃げるアクションシーンも面白いし、『ポリス・ストーリー』だったら、走ってるバスに傘の柄を引っかけてそのままぐんぐん引っ張られていくシーンもすごい。

 本編が終わった後のNGシーンも面白かったですよね。あれは子どもたちに「こんなことしたら危ないんだよ」って教えるために流したって言われてますけど、真似しようにも危険すぎてできないですもん。『サンダーアーム』で木に飛び移ろうとして木の枝が折れて頭蓋骨陥没したシーンはすごすぎて。

 せいぜい真似できるのは“ボッボボ”って言って戦うぐらい。『酔拳』の足縛られて逆さ吊りにされて、下の水桶からお猪口で水をすくって腹筋使って身体持ちあげて上の桶に入れるっていう修業見て、 「あんなんやってみたいなあ」って、みんなで言ってたけど、もちろんできないし。

 とにかく当時のジャッキー人気はすごかったですね。何がすごかったかって、当時サッカー日本代表の試合が国立競技場であった時に、その前座試合でジャッキー率いる「香港芸能人チーム」と、(明石家)さんまさんとか(木梨)憲武さんがいる「ザ・ミイラ」っていう日本の芸能人チームのチャリティマッチをやって、それをテレビ中継したぐらいですから。

 日本代表の試合を観に行くんじゃなくて、そっちの試合を見たくて国立に行くみたいな感じで。それぐらい盛りあがってましたからね。

 小学生の時はものすごくハマったジャッキーだけど、それも中1までかな。だって中学生で「ジャッキー、ジャッキー」言ってるヤツいないですからね。中学生になるとみんな『タッチ』読んだり、『ビーバップ』読んだりしてる中で、さすがにジャッキーもないですからね。僕のジャッキーブームもそこで終わりました。

【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。

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