土田晃之も大ショック…昭和男子が憧れた「ジャッキー・チェン」の意外な一面 映画館でチビッコたちがざわざわ…【土田晃之の昭和カルチャー回顧録】の画像
土田晃之(撮影/小島マサヒロ)

 1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!

■ジャッキーの声が違う!小4で受けたカルチャーショック

 僕の年代で、小学生の時にジャッキー・チェンを通らなかった男はいないんじゃないかな。テレビでジャッキーの映画をやると、クラスの男はみんな観てましたから。当時の小学生にとっては「ドリフやってるから観よう」っていうのと同じように「ジャッキーの映画やるから観よう」っていう感覚でしたよね。

 僕らより上の世代はブルース・リーでしょうけど、そこにコメディの要素が入ってきたのがジャッキー。だから子どもが観ても楽しかったんじゃないかな。

 初めて映画館にジャッキーの映画を観にいったのが、小学校4年の時の『ドラゴンロード』。誰かのお母さんに連れられて、3人ぐらいで観に行ったんですけど、映画館で洋画観るのも初めてだったから、字幕見るのも初。映画が始まって、ジャッキーの声を聴いて、子どもたちがざわつくっていう。

 「ジャッキーの声が違う!」

 いままではテレビの吹き替えでしか見たことなくて、石丸(博也)さんの声をずっとジャッキーだと思ってたから。初めて本人の声を聞いてビックリして、結局内容なんか何も覚えてない。字幕はすぐ消えちゃうし、漢字も読めないし。覚えてるのはジャッキーの声が違うってことだけ……。

 ジャッキーの映画がテレビでやると、当時はまだ子どもたちの部屋にテレビなんかないから、親父の部屋にみんな布団持っていって寝っ転がりながら男兄弟3人で観てました。観終わると、そのあと兄弟で“ボッボボ”って言いながら戦うっていう。口で風切る音を“ボッボボボボ”ってやりながらジャッキーの真似して戦う。それ見て親父がキレるっていう。

 「何時だと思ってんだ! 寝ろ」って怒られて「やべえやべえ、ジャッキー・チェンでも勝てない」って言いながら寝るんです。

 それがジャッキーをテレビで観る時のパターンでしたね。 当時、大宮に「ハタボウル」っていうボウリング場があって、そこに映画館があったんですけど、映画館の売店でジャッキーのポスターも買ったし、缶ペンも下敷きも買いました。『プロジェクトA』の水兵さんの恰好したポスターを部屋に貼ってましたからね。

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