■『キャプテン翼』が教えてくれた“世界の広さ”

 そんなサッカー漫画から学んだことは多いですね。特に『キャプテン翼』。

 たとえば翼くんとロベルトが話してるシーンで「サッカーは世界で一番人気があるスポーツなんだ」ってセリフがあるけど、当時は「野球じゃないの?」と思って。だって僕らはテレビで野球しかやらないような時代で育ってるから。

 「“ワールドカップ”っていうのがあって、オリンピックより大きな大会なんだ」ってセリフを見たときには、「そんなことある? サッカーめちゃめちゃすごいじゃん!」

 そういうところからどんどんサッカーを好きになっていきました。

 翼くんが中学の大会で優勝してジュニアユース、いまでいう“U─15”とか、中学生カテゴリーの日本代表チームに入るわけです。

 世界の強豪チームがいっぱいいるなかで日本代表は強豪のアルゼンチンと戦う。そこに天才プレーヤーのファン・ディアスっていうマラドーナみたいな選手がいて、先に2点入れられちゃうんです。でも精神的に吹っ切れた翼くんがアルゼンチンのやつらにポルトガル語で言うんですよ。

 「ハンデとしてはちょうどいい」

 そのページの端に注釈があって、「アルゼンチンを含めて南米はほとんどスペイン語でブラジルだけポルトガル語。ポルトガル語とスペイン語の違いは日本でいうところの標準語と関西弁ぐらいの違い」そういう言語事情も漫画から知りました。

 中学のときは授業中に教科書は開かないけど、地図帳は開いていました。それもサッカー漫画の影響。

 「サッカー王国のブラジルってどこなんだろう?」「マラドーナのアルゼンチンってここなんだ!」

 国旗に詳しくなったのも、サッカーを好きになったから。サッカー漫画で学んだことが多いっていうか、サッカー漫画からしか学んでないっていうか。そのきっかけは間違いなく『キャプテン翼』なのです。

【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。

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