『地獄先生ぬ~べ~』ゆきめに『ドラゴンボール』ベジータも…作者の予想を越えて読者人気を掴んだ「意外な漫画キャラ」の画像
DVD『ドラゴンボール改』第3巻(Happinet(SB)(D))©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 漫画を語る上で、個性豊かなキャラクターたちの存在は欠かすことができない。主人公と協力する味方はもちろん、彼らの前に立ちはだかる敵に至るまで魅力的な面々が登場し、物語を盛り上げてくれる。

 しかし、幾多のキャラクターのなかには、読者から予想外の支持を集め、作者の予想すら覆すほどの人気を獲得したキャラクターも存在している。
 今回は、作者も驚くほどのまさかの躍進を遂げた漫画の人気キャラクターたちを見ていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■冷たい体に宿した熱き愛情…『地獄先生ぬ〜べ〜』ゆきめ

 2025年7月から、新たなアニメシリーズの放送が開始され、時代を超えて再び大きな盛り上がりを見せている『地獄先生ぬ~べ~』。

 1993年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された本作は、原作:真倉翔さんと作画:岡野剛さんが手掛けるコメディとホラーが融合した独自の世界観で、多くのファンを魅了した。

 物語は、主人公の霊能教師・ぬ~べ~こと鵺野鳴介が、霊能力と左手に宿した鬼の力を駆使し、教え子たちを守るためにさまざまな怪異と戦う姿を描いている。

 序盤、ぬ~べ~は同僚の教師・高橋律子(リツコ先生)に恋心を寄せていたが、彼の運命を大きく変えるキャラクターが登場する。それが、ぬ~べ~の婚約者を自称する、ゆきめだ。

 ゆきめは青いショートヘアが特徴的な美少女だが、その正体は雪の化身である妖怪・雪女。いざとなれば白装束を身に纏い冷気を操り、雪や氷を生み出す能力を持つ。

 彼女のぬ~べ~に対する愛情は本物で、事あるごとに暑苦しいほどの猛烈なアプローチをしかけていく。そのインパクト大な振る舞いに加え、愛らしい見た目と、妖怪でありながらも明るくはつらつとした性格が読者の心を掴み、瞬く間に絶大な人気を獲得。一気にメインヒロイン候補へと躍り出ることとなった。

 公式の人気投票でも堂々の1位に君臨した彼女だったが、実は原作者の真倉さんとしても予想外だったようである。初期のヒロイン候補であったリツコ先生を完全に食ってしまう形となってしまったのだ。

 当初はリツコ先生を交えた三角関係なども構想していたようだが、ゆきめの圧倒的人気を前に、彼女とぬ~べ~が結ばれる展開を決めたのだという。

 そんな人気キャラのゆきめは、新アニメシリーズにももちろん登場している。新たな映像で描かれる彼女の活躍を、ぜひともその目で確かめてみてほしい。

■チョイ役のはずが唯一無二のライバルキャラに『ドラゴンボール』ベジータ

 1984年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載され、今もなお新たなシリーズが展開され続けている鳥山明さんの不朽の名作『ドラゴンボール』。世代を超えて愛され続けている、言わずと知れた伝説的なバトル漫画だ。

 本作はなんといっても、主人公・孫悟空と強敵たちが繰り広げる手に汗握るバトルが見どころであるが、中でも、悟空の永遠のライバルとして絶大な人気を誇るのが、惑星ベジータの王子・ベジータである。

 初登場時は残虐非道なキャラクターであったが、悟空らとの戦いを経て、徐々に優しき心が目覚めていく。そしてブルマと結ばれ息子・トランクスを授かったことで、彼もまた地球を守る戦士の一人として悟空と共に数々の強敵へと立ち向かう存在となった。

 いまや悟空に勝るとも劣らない人気キャラとなったベジータだが、驚くべきことに、当初はもっと早い段階で死亡してしまう予定だったという。

 この事実は『30th Anniversary ドラゴンボール超史集 ―SUPER HISTORY BOOK―』の、おまけ漫画で明かされている。

 そこでは作者の鳥山さんがベジータに対し、「おまえなんて悟空にやられて死ぬ予定だったのに」と、衝撃的な一言を投げかけている。しかしその後、ベジータも「オレが予想外に人気だったので読者が怖くて殺せなかったと聞いたけどな…」と、堂々と反論する一幕があり、読者からの高い人気が彼の運命を変えたことが示唆されているのだ。

 早期退場するはずだった彼が、その後の数々の続編、外伝作品でも大活躍し続けることになるとは、作者自身も予想だにしなかったのではないだろうか。

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