
RPGだけでなく、さまざまなジャンルでゲーム展開されている『ポケットモンスター』シリーズ(任天堂)。2025年10月16日には新作『ポケモンレジェンズ Z−A』が発売予定となっていて、大きな話題を呼んでいる。
そんな『ポケットモンスター』シリーズの魅力は、なんといっても多種多様な「ポケモン」の存在だろう。1996年に発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』の登場以来、現在では1000種類を超えるポケモンが発見されている。その見た目は千差万別ではあるが、多くは愛くるしい見た目をしているのが特徴だ。
しかし、その可愛らしい姿とは裏腹に、実は恐ろしい生態や不気味な伝承を持つポケモンも少なくない。特に、ゴーストタイプのポケモンにはその傾向が強く見られる。
今回は、見た目は可愛らしいのにもかかわらず、実は恐ろしい設定を持つ「ゴーストタイプのポケモン」たちを見ていこう。
※本記事には作品の内容を含みます
■ふうせんポケモンと見せかけて、その実態は…?「フワンテ」
まずは、ふうせんポケモンに分類される「フワンテ」だ。
丸い頭に、ちょこんと乗った雲らしきものは髪だろうか。そこから紐のように細い手が2本伸びているだけのその姿は、まさに風船のように風に吹かれればどこかに飛んでいきそうなほど頼りない姿をしている。
『ポケットモンスター パール』のポケモン図鑑には、「あの世へ 連れていこうとして 子供の 手を 引っ張ろうとするが 反対に 振りまわされてしまう」と記述されている。後半は見た目通りの印象ではあるが、そもそも「あの世」に連れていくという行為とのギャップが凄まじい。
さらに、『ポケットモンスター スカーレット』のポケモン図鑑には、「風船と 間違えて フワンテを 持っていた 小さな 子どもが 消えてしまうことが あるという」と恐ろしいことが書いてある。つまり、子どもをあの世に連れていくことが実際にある……というわけだ。
そして『ポケットモンスター ウルトラサン』には、“誰かを道連れにするたび膨らんでいく”といった文言もある。その華奢な容姿とは裏腹に、多くの子どもたちを連れ去っているのかもしれない。
■物理的・生態的な怖さを感じさせる「プルリル」
真ん丸な顔に、フリルのついたゴスロリドレスのような体を持つ可愛らしいポケモン「プルリル」。玉ねぎのような頭もチャームポイントだ。
しかし、その愛らしい容姿からは考えられないほど、プルリルのポケモン図鑑には恐ろしいことばかり書かれている。
たとえば、初登場作品である『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』では、「薄い ベールのような 腕で 相手の 体を 縛りつけたまま 海の 底へ 沈んでいくのだ」「獲物を 毒で しびれさせて 8000メートルの 深海に あるという 住処に 連れていく」とあり、さっそく怖い。捕食者としての一面が垣間見える記述だ。
他のシリーズの図鑑にも似たようなことが書いてあるが、総合すると、手足に仕込まれた毒針で敵を痺れさせ、腕を巻き付け、深海8000メートルの住処へと運ぶ習性があるということである。
前述したフワンテのように、“子どもに振り回される”といったコミカルな描写はいっさいなく、淡々とその食性についてのみ書かれている点が、かえって恐怖を引き立てる。魂や超能力といったオカルト的な説明ではなく、単純に毒で麻痺させて獲物を捕らえるという現実の野生動物を彷彿させる生態が、恐ろしさの根源だと言えるだろう。