『鬼滅の刃』無限城編で再評価…「煉獄杏寿郎」の強さとは 「やっぱり、とんでもなく凄かった」の画像
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』第3弾キービジュアル (c)吾峠呼世晴/集英社 (c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 大ヒット上映中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。公開25日間で観客動員数1569万8202人、興収220億7219万1500円を記録。8月9日には本編映像を使用した新規CM「決戦CM第1弾~竈門炭治郎&冨岡義勇vs猗窩座~」が公開されており、今後もさらなる注目を集めていきそうだ。

 今回新たに公開された映像は、猗窩座と刃を交える炭治郎の姿に、冨岡の「炭治郎、戦えるようになった。命を、尊厳を奪われないために」という声が重ねられ、続いて冨岡と猗窩座が目にもとまらぬ早さで攻防する様子が描かれるもの。「勝つんだ、義勇さんと二人で! 猗窩座に!」という声とともに、最後は炭治郎の刃が猗窩座の首を狙って放たれる映像だ。

 『無限城編 第一章 猗窩座再来』ではそのタイトル通り、『無限列車編』での炎柱・煉獄杏寿郎の仇である猗窩座と炭治郎&冨岡が対峙する。猗窩座は上弦の参であり、武器を持たずに自身の拳で戦う武闘派の鬼だ。

 さて、猗窩座が強いのはいうまでもないが、今回の劇場版で2人がかりで必死に戦う炭治郎と冨岡の姿を見て、改めて「煉獄のすごさ」を感じたという人も多いのではないだろうか。今回は「実はとんでもなくすごかった」『無限列車編』での煉獄杏寿郎の強さを振り返ってみたい。

※本記事は作品の内容を含みます

■情報ゼロの場面から瞬時に正解を導き出す判断力

 まず、猗窩座と無限城で対峙した炭治郎は『無限列車編』以降もたくさんの鍛錬や戦闘を乗り越えてきた。今回戦う炭治郎は、柱稽古を経て強くなった炭治郎であり、この戦いが柱・冨岡との共闘だったことを念頭に置いておきたい。

 『無限列車編』では炭治郎、善逸、伊之助がほぼ初対面となる煉獄と出会うところから物語が始まり、開始10分で列車が鬼に襲われる。

 魘夢の血鬼術にかかって眠ってしまい、「穴があったら入りたい」と意外な失態を見せた煉獄だったが、直前まで大量の牛鍋弁当を食べてお腹いっぱいであろうに、見えないほどの速さで炭治郎の元に移動し、8両編成の列車のうち5両を自身が担当することを提案。3両を善逸&禰󠄀豆子に託し、炭治郎と伊之助には善逸らのいる前方の3両に注意しながらの魘夢討伐を的確に指示した。

 リラックスした状態から急に襲われるという展開にも関わらず、この指示に炭治郎は「状況の把握と判断が早い」と煉獄のすごさにおののくほど。その後、討伐された魘夢も、200人の人質を全員守った煉獄に対し「あいつのせいだ」と恨み言を言いながら消えていった。

 さて、柱として他の隊士への的確な指示と、早急な対処を見せた煉獄のすごさはこれだけではない。

 魘夢と戦いボロボロの炭治郎の肉体の状況を瞬時に把握し「呼吸の精度を上げろ」と自身の体に向き合わせ、呼吸や血管を意識させることで止血させた。これは煉獄本人も当たり前にできていることなのだろう。

 炭治郎は魘夢と戦ったことで「傷が開くと致命傷になりかねない」とも言われていたが、煉獄はこの時点で無傷なのも、地味に彼の強さを表現している点ではないか。

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