「ゲットできた人、いるの!?」ファミコン&スーファミRPG「出会うのすら困難」伝説の激レアドロップモンスターの画像
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』 (C)1988 エニックス、バードスタジオ、アーマープロジェクト、チュンソフト 音楽/すぎやまこういち

 ザコ敵との地道なバトルを繰り返して資金を貯め、新たにアイテムを購入する。RPGにおいては武器や防具、アクセサリーというのは先の冒険を有利にする非常に大事な要素だが、ときどき「戦闘のご褒美」として、戦いの後にアイテムを落としてくれるモンスターがいる。

 その中には、ダンジョンの宝箱や街のショップでは手に入らないような超貴重なものもあり、そうした“レアドロップアイテム”は、プレイヤーの冒険へのモチベーションを高めてくれる存在だ。装備やアイテムを手に入れる喜びは、プレイ経験の価値を何倍にも引き上げてくれるのだ。

 しかし、なかには「本当に落とすのか?」と疑いたくなるほど、ドロップ率が極端に低い敵も存在した。しかも、その敵自体の出現率まで低く、出会うことすら困難というケースも……。

 今回は、そんな“激レアドロップ”と“出現率の低さ”がプレイヤーを苦しめ、語り草となった伝説のモンスターたちを振り返りたい。

■『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』 アカイライの「さとりのしょ」

 『ドラクエ3』といえば、シリーズでも屈指の人気を誇る名作であり、なかでも本作でシリーズに初採用された「転職」システムの自由度は多くのプレイヤーを魅了した。

 「せんし」「ぶとうか」「まほうつかい」「そうりょ」など、職業の組み合わせや転職のタイミングが戦略性を生み出し、後の多くのRPG作品にも影響を与えた。その中でも「けんじゃ」は特別な存在であり、「まほうつかい」と「そうりょ」の上位互換ともいえる性能を誇る。

 そんな高性能と引き換えに、「けんじゃ」に転職するには、それなりの苦労が必要となる。まず一つは、「あそびにん」の職業を転職できるレベル20以上まで育てること。もう一つは、どれかの職業をレベル20以上にまで育てたうえで、「さとりのしょ」を使用することである。これは通常プレイでは決まった数しか手に入らず、貴重品中の貴重品として知られていた。

 しかし、この「さとりのしょ」を稀にドロップする敵が存在する。それがアープの塔やスー周辺に出現する鳥型モンスター「アカイライ」。だが戦えど戦えど、なかなか落とすことはなく、後のガイド本『モンスター大図鑑』でそのドロップ率が驚異の1/2048という、途方もない確率だったことが明かされる。

 当時は「アカイライがさとりのしょを落とす」というのは都市伝説的に広まっており、あまりにも落とさないためか、「アカイライ=赤いLie(真っ赤なウソ)」という言葉遊びが一部で定着するほどだったとか。

 実際にドロップを経験したプレイヤーは、当時の仲間内で「嘘つき」扱いされたかもしれない。

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