
『ガンダム』シリーズの量産機といえば、大量生産を重視し性能が抑えられたモビルスーツというイメージがあるかもしれない。確かに量産型ザクなどは、いわゆるモブ的な存在として登場することも多い。
しかし、中にはワンオフ機に匹敵するほどの性能を秘めた量産モビルスーツも存在する。今回はそんな優れた量産機について、作中での活躍シーンも交えつつ振り返っていこう。
※本記事には作品の内容を含みます
■ロマンあふれる量産機 ドーベン・ウルフ(『機動戦士ガンダムZZ』)
ドーベン・ウルフはネオ・ジオン軍の量産機で、スペース・ウルフ隊の主力機として知られる。準サイコミュ兵器や高出力のビーム砲を搭載するなど、量産機とはいえないほどの戦闘能力を有していた。
特にラカン・ダカランが操縦するドーベン・ウルフは、圧倒的な強さを見せつけていた。『機動戦士ガンダムZZ』ではドーベン・ウルフが6機登場しているが、ラカンが操縦した機体とそのほかのパイロットが操縦した機体では、戦闘力が雲泥の差だった。
『機動戦士ガンダムZZ』45話と46話では、彼以外のドーベン・ウルフが防戦一方だったのに対して、ラカンはキャラ・スーンとの戦闘で経験値の差から圧倒していた。
実際、ランス・ギーレンとジュドー・アーシタの介入がなければキャラに完勝していた可能性が高く、ZZガンダムの数十発におよぶミサイル攻撃も熟練の操縦技術で難なく防ぐなど、オールドタイプとして最強クラスの戦闘力を見せつけた。量産機はパイロットの腕前次第で、厄介なモビルスーツに変わるといういい例だ。
ドーベン・ウルフは多彩な兵装を備え、火力に特化しているイメージが強い。それだけに、一般パイロットが扱うのは難しい機体だった点は否めない。その設計コンセプトは、とにかく強い武器を詰め込むだけ詰め込んで暴れ回るというもので、戦い方としてはロマンあふれるものだった。
実際、『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』や『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』にも登場しており、多くのファンの心を惹きつけた機体であることは間違いない。
■高性能かつ機動性も高し!ゲルググメナース(『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』)
ザフト(プラント)によって開発されたゲルググメナースは、ザクウォーリアの後継機という扱いであり、ニューミレニアムシリーズに連なる新型機ということで性能もかなり高い。見た目としては『機動戦士ガンダム』に登場するゲルググよりもザク寄りで、「角がついたザク」という印象を受ける。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では序盤に登場し、ルナマリア・ホークが搭乗していた。その際は、ルナマリア機専用のロングレンジのビームライフルも駆使し、相当な戦闘力を見せていた。柄の両端からビーム刃を出すゲルググおなじみの「ナギナタ」風の武装を装備している点も、ファンとしてはアツいポイントだ。
ヒルダ・ハーケンが搭乗した際には、ブラックナイトスコードを撃墜する戦果をあげるなど、量産機の域をはるかに超える活躍を見せていた。強化ビームライフル、レフルジェンスビームシールド、試製35式改レールガンといった武装を装備可能な点もストロングポイントである。
これほどの高性能で機動性もあるにも関わらず、量産機であるというのは、生産のコスト面を考えても非常に優秀なモビルスーツだといえるだろう。