■血筋が理由で目立たせるわけにはいかなかった?

 かつて王下七武海に名を連ねていたバーソロミュー・くま。“暴君”の異名で呼ばれ、「革命軍幹部」「ソルベ王国国王」といった物々しい肩書を持つ。

 手のひらが肉球となる「ニキュニキュの実」の能力者で、あらゆるモノや人を遥か遠く離れた場所まで弾いてしまう驚異の能力を有する。

 そんなくまは、実は絶滅したと思われていた希少種「バッカニア族」の生き残り。そのため、とんでもない巨漢と強靭な肉体を持っている。

 娘であるジュエリー・ボニーや彼自身を取り巻く数々の因果の影響により、初登場の時点ですでにサイボーグ化されていた。海軍大将の黄猿の能力と同等のレーザーを口から放つなど、もはや人間を超えた兵器と言っても過言ではない。

 そんなくまが、王下七武海に入る前の懸賞金の額は2億9600万ベリー。これは2年前のルフィの懸賞金とほぼ同額で、時期を考えてもさすがに安すぎる。

 あまりに壮絶な過去や、たったひとりでソルベ王国で暴れたことなども明かされ、どんなに低く見積もっても四皇の幹部クラス程度の強さはあるはず。

 しかも、くまの場合はバッカニア族という迫害された希少種族であること、サターン聖やベガパンクといった政府中枢が関与する重要人物であることから、政府としては高い懸賞金をかけて目立たせるわけにはいかなかったのかもしれない。


 『ワンピース』において懸賞金は、当人の強さを示す分かりやすいバロメータになっている。だが実際は、政府や民間人に対する危険度も加味されているためか、本来の実力よりも低い懸賞金になっている者も珍しくない。あらためて登場キャラの懸賞金を振り返ってみると、直近の活躍とのギャップがあって非常に興味深い。

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