■一度見たら忘れられない強烈な顔にゾクゾク『顔の道』

 2009年放送の『顔の道』も、忘れられない最恐エピソードのひとつである。怪奇事件が起こったのは、佐藤健さん演じる藤沢翔太郎と高橋真唯さん(現:岩井堂聖子)演じる恋人の夏海が川釣りに行った帰り道のことだった。

 助手席に座る翔太郎は、道路沿いにある寂れた電話ボックスの中に立ち尽くす女性を見かける。どう見ても普通ではない佇まいに違和感を覚えた翔太郎は、夏海にも見たかと聞くが、彼女はなぜか突然睡魔に襲われ、車をその場に止めて寝てしまった。

 免許のない翔太郎は友人を呼ぼうとするも、携帯も公衆電話も繋がらないという最悪の状況に陥ってしまう。だがその時、少し先に民家を発見。2階に人がいるのも確認でき、翔太郎は電話を借りようとうす暗い室内に足を踏み入れた。すると2階からウエディングドレスを着た巨大な女性が降りてくる。だが、よく見ると女性には首がない。

 急いで車に走って夏海を叩き起こす翔太郎。やっとのことで彼女も目覚め、いざ逃げようとヘッドライトを付けたその瞬間……フロントガラスにニヤリと笑う女性の生首が! 後になって車を見ると、そこには無数の手形がついているのだった。

 剥き出しの歯と真っ赤な目という怖すぎる霊の顔が画面いっぱいに写されるこのシーンは超特大のインパクトで、つい大声を出してしまうほどの恐ろしさだ。顔が小さければまだマシなものの、かなり巨大なので余計に怖く感じるのだろう。

 ドラマ後に行われたほん怖クラブの心霊研究によると、霊が出た場所は怨霊が集まる魔界になっているのだとか。あの霊は交通事故で死んだ婚約者の後を追って自ら命を落とした女性のもので、魔界の支配者のような存在になっていると語られていた。

 ホラーを演出するBGMや回避したと見せかけてドンと出てくる幽霊など、オーソドックスながら怖すぎる物語のオンパレードで人々を恐怖のどん底に突き落としてきた『ほんとにあった怖い話』。現段階でまだ2025年夏の放送は決定していないが、また我々視聴者をゾクゾクさせてほしいものだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3