「やっぱ幽霊は怖い…」今観ても絶対ビビる!? 『ほんとにあった怖い話』史上最恐のトラウマ回の画像
稲垣吾郎(写真/ふたまん+)

 1999年にフジテレビ系で放送がスタートした『ほんとにあった怖い話』。もともとはスペシャル番組だったが、2004年から連続番組にシフトし、稲垣吾郎さんが館長を務める「ほん怖クラブ」の面々が視聴者から送られてきた恐怖体験を元にしたショートドラマを見るという内容となった。

 2011年以降は、再び夏のスペシャル番組としてカムバック。年々ホラー番組が減っていることもあり、同作の放送を楽しみにしていた人も多いだろう。

 作中のショートドラマは、前半で少し怪奇現象を演出し、最後に特大のジャンプスケア(びっくり演出)を入れて最大級の恐怖を与えるという流れが定番だ。そろそろ幽霊が出ると分かっていてもやはり驚くもので、どの作品も恐怖度は極めて高い。番組中に映像を見る「ほん怖クラブ」は小学生中心の子どもたちで、あまりの怖さに泣き出してしまうことも……。稲垣さん演じる館長の唱えるおまじない「イワコテジマ、イワコテジマ、ほん怖五字切り!」を見て、ようやく心を落ち着けたものだった。

 7月2日放送の『あさイチ』(NHK)で特集が組まれるなど、大のホラーブームが到来しているとも言われる今、子どもたちにトラウマを与えてきた『ほんとにあった怖い話』を振り返り、最恐の呼び名が高いエピソードを振り返っていきたい。

※本記事は作品の内容を含みます。

■指輪を拾ってなければ…『真夜中の徘徊者』

 まずは、トラウマ回と名高い2003年放送の『真夜中の徘徊者』を見ていきたい。物語は、阿部寛さん演じる主人公の小山が会社の健康診断の結果を受けて断食ツアーに参加するところから始まる。

 会場に到着した小山は、トイレでタバコを吸っている際にキーキーという音を聞き、廊下で車椅子を押す看護師を目撃する。さらに、調理場で名入りの婚約指輪を拾ってしまう。

 その後小山は、ある怪談話を耳にする。それは、かつて裏手にあった病院に務める若いナースが婚約指輪をなくしたことが原因で相手とこじれて命を絶ったという話で、彼女が今でも指輪を探しているというのだ。 

 バカバカしいと言いつつ怖くなった小山は、指輪を元の場所に戻しに行くことに。しかし、真っ暗な館内をさまようナースと鉢合わせてしまう。

 キーキーと車椅子を押しながら追いかけてくるナースから逃げ、トイレに身を潜める小山。だが追いつかれ、ノブをガチャガチャと鳴らされてしまう。しかも、靴紐の隙間に戻したはずの婚約指輪が挟まっているではないか。

 とっさにナースの足元に指輪を投げると音が止み、小山はタバコに火をつけ安堵の表情を浮かべる。が、ふと見上げるとそこには小山を見つめるナースの姿があった。 

 霊がじわじわと迫りくる様子や白目を剥くナースの顔など、王道の恐怖描写が詰め込まれた『真夜中の徘徊者』。トラウマの声も納得の恐ろしさである。

 ちなみにこのエピソードは、1999年放送の『社内怪報』のリメイク作品だ。こちらは杉本哲太さん演じる主人公が夜の社内で乳母車を押す女性の霊に追われ、トイレに隠れたところを上から覗かれるというストーリー。元祖の強さと言うべきか、キリキリと鳴る乳母車の音も乱れた髪と白目、荒れた肌の幽霊の姿は思わず目を伏せてしまうほど強烈で、こちらの作品もトラウマになったという声も多い。

■留守番とインターホンが怖くなること必至『黒髪の女』

 2005年に放送された『黒髪の女』も、視聴者にトラウマを植え付けた作品のひとつだ。主演は松浦亜弥さんで、女性の霊に追い詰められる女子高校生・詩織を演じている。 

 骨折をして自宅療養中の詩織は、ある昼下がりに向かいの家のインターホンを無心で鳴らす女性を目撃する。女性は、腰まである黒髪に真っ赤なワンピースという薄気味悪い出で立ちだった。

 後日またしてもインターホンが聞こえ、覗いてみると別の家の前にあの女性がいる。この奇行は以降も続き、耐えきれなくなった詩織はついに声をかけた。

 だが、この行動がまずかった。動きを止めた女性が、突如玄関のすりガラスに張り付いてき覗いてきたのだ。血の気のない能面のようなその顔は明らかに人間のものではなく、詩織は恐怖に慄いた。さらに翌日からは家中の窓を閉めて警戒するも時すでに遅し、女性の霊は家の中にまで入り込んでしまう。

 ある夜、詩織が留守番をしていると部屋の扉がスッと開いた。怖くなってベッドに逃げ込むと、今度は背後から気配がする。「私が何したっていうのよ!」と怒りをぶつけながら恐る恐る振り返ると、そこには詩織をじっと見つめる女性の姿が……。

 全編を通して女性の表情がとにかく怖い『黒髪の女』。霊は夜に出るという王道の出現パターンを無視して、昼間から現れるというのもリアル。同作を見た後、インターホンに怯えたという人も多いはず。

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