本人は意外にお気に入り…!? ブタゴリラ、ゴリライモ、ゲロ道、肉…アニメ&漫画キャラ「強烈すぎるニックネーム」と「意外な由来」 の画像
「『キテレツ大百科』アニバーサリー・セレクション BD-BOX」(フロンティアワークス) (C)藤子プロ/ADK

 友人を親しみを込めて呼ぶために、相手の特徴や性格や名前からつけられる“ニックネーム”。漫画やアニメ作品でもニックネームで呼ばれるキャラクターは多く、中には別の名前のほうが浸透して、実は本名を知らないという人物もいるほどだ。

 一方で、漫画やアニメには悲惨なニックネームをつけられたキャラクターもいる。たとえば、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の安城鳴子などは筆頭だろう。由来は名前をもじっただけなのだが、大人が聞くとつい赤面をしてしまうようなあまりにも奇抜なニックネームだ。

 今回は、彼女のようなアニメ・漫画キャラにつけられた強烈なニックネームとその由来を見ていこう。

■可哀想だけどちょっと合ってる…?『銀魂』のマダオ

「ダメな人」と言われたら、誰だってモヤモヤしてしまうもの。そんな複雑な気持ちになるニックネームをつけられたのが、『銀魂』に登場するマダオである。

 本名は、長谷川泰三。もともとは入国管理局の局長だったが、央国星のハタ皇子を殴ったことで職を解かれ、妻・ハツに出ていかれたうえに家も失ったという38歳の不幸な男性だ。

 路上暮らしになった長谷川は、初めて出会った神楽に身の上話と教訓めいたことを言う。すると神楽は「オメーに言われたくねーよ負け組が」と辛辣な一言を発し、「じゃーな。まるでダメなおっさん 略してマダオ!」と言い残して去っていく。それ以前にハツにも「あなたのようなマダオ(まるでダメな夫)にはついていけません」と置き手紙をされており、これがマダオ誕生の瞬間となった。

 その後、さまざまな「マダオ」のバリエーションが生まれた。基本的には「真っ直ぐ生きても台無しなおっさん」といったネガティブなものが多いが、中には「マジでダンディーなおいなりさん」など意味不明なものも。さらに、マダオ自身もロボット犬に「マイケル・ダグラスみたいな男になれ」という願いを込めて「間陀男」と名付けている。

■冷静に考えると結構ひどい『キテレツ大百科』のブタゴリラ

 昭和のアニメや漫画は、ストレートでキツイあだ名のキャラクターが多い。藤子・F・不二雄さんの『キテレツ大百科』に登場する「ブタゴリラ」もその一人だ。幼いころは特に感じなかったが、大人になって考えると「ブタ」と「ゴリラ」を組み合わせたこのニックネームはかなり強烈である。彼がガキ大将だからいいものの、普通は周囲からいじられてしまうだろう。

 そんなブタゴリラの本名は熊田薫。薫が女の子にもよくある名前というのがコンプレックスで、自らニックネームのほうを呼ばせているのだとか。「ブタ」と「ゴリラ」の並び順はこの通りでないとダメらしく、ゴリラブタと呼ばれると「ブタゴリラだ」と間違いを正している。確かに、ゴリラで終わるほうが語呂が良く強そうに見える……かもしれない。

 ただ、熊田薫という名前は、アニメ化の際に脚本家の雪室俊一氏によってつけられた名前で、原作漫画では本名不明となっている。

■実はニックネームというわけではない?『ど根性ガエル』ゴリライモ

 次も懐かしい昭和の作品から、吉沢やすみさんの『ド根性ガエル』を振り返りたい。ひょんなことから男子中学生・ひろしのTシャツに張り付いてしまったカエルのぴょん吉とひろしの生活を描いた同作には、「ゴリライモ」というこれまた奇抜なニックネームの人物が登場する。

 彼はひろしの一個上の先輩で、ギザギザの学生帽と学ラン、そして下駄というバンカラスタイルの番長。喧嘩も強く、ひろしらとも頻繁に揉めるが、人情派で優しいところもあるという昭和のガキ大将らしい男である。

 ブタゴリラ同様、ゴリライモというニックネームもパッと見では「ゴリラにイモなんてひどい……」と感じてしまうが、彼の場合は少し事情が違う。というのも、彼は本名が五利良イモ太郎(ごりら いもたろう)なのだ。つまりゴリライモは、本名を略しただけなのである。

 イモ太郎が名前というのもどうなのかと思うが、本人は学ランの下に「ゴ」と書かれたTシャツを着用しており気に入っているようだ。また、イモながら実家は魚屋さん。マリアというゴリラともイモとも毛色の違う洋風な名前の猫を可愛がりながら、きちんと仕事も手伝っている。

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